“ETC以外の課金方法”も検討へ! 「2115年までETCとは思えない」 高速“現金NG化”全然進んでないNEXCO東日本の将来像とは

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NEXCO東日本の新たな中期経営計画では、ETC以外の課金方法の検討が打ち出されています。既存のETCはどうなるのでしょうか。

ETC以外の課金方法とは?

 NEXCO東日本が2026年4月22日、今年度から2030年度までの新たな中期経営計画を発表。そのなかで、「ETC以外」の課金方法も検討する方針を示しました。

 これは、「混雑などに応じた柔軟な料金設定や多様な支払手段が可能となるよう」検討を進めるというものです。

 同社は東京湾アクアラインで2023年から、休日の混雑時間帯と閑散時間帯の通行料金に差をつけた「ETC時間帯別料金」の社会実験を行っており、現在は最大で4倍の料金差があります。これで最大渋滞長の減少が見られたことから、渋滞対策の一環として、向こう5年のあいだに他区間でも展開する方針です。

 そもそも、こうした混雑に応じた「柔軟な料金設定」は、国が描いていたビジョンでもありました。渋滞している路線の通行料金を高く、空いている路線を低くするなどして迂回を促し、混雑緩和につなげるといったイメージです。そこで、より柔軟な料金徴収の方法そのものを検討するというわけです。

「ETCは大変優れたシステムですが、諸外国ではさらに上をいきそうな課題解決方法が打ち出されています。(法令改正で延長された料金徴収期間の)2115年まで今のETCがそのまま使えるとも思えません。勉強すべきはしっかり勉強しようと、中経に盛り込みました」(由木文彦社長)

 中経ではその具体的な諸外国の料金制度・徴収方法の例も紹介されています。

 欧州の衛星通信を活用した課金方法は、出入口ではETCと同じく道路側のアンテナと車載器でやり取りするDSRC方式を使用するものの、本線上ではスマホと携帯電話ネットワーク、GNSSなどから位置情報を取得し、本線外で携帯電話ネットワークからスマホに料金を通知するイメージだそうです。

 また、アメリカや台湾の例として、ナンバープレートやRFID(非接触電子タグ)を活用した課金方法も紹介されています。特に、台湾で普及している車載器を必要としないRFIDタグによる方式は、2025年に起きたNEXCO中日本のETC大規模システム障害時もよく比較されました。また、料金制度の例としてドイツの「環境負荷コストに応じた料金の例」も紹介されています。

 では、今のETCはどうなるのでしょうか。

ETC以外の課金方法とは?

 現在、高速道路各社でICのETC専用化が進められています。NEXCO西日本はこの春に94か所、NEXCO中日本では東海環状道が全ICでETC専用となるなど拡大を続けています。首都高では2026年度までに134か所と、ほとんどの入口がETC専用になる見込みです。

 これに対し、NEXCO東日本は現時点で23か所と、最も遅れています。田仲博幸管理事業本部長は、国が当初示したETC専用化のロードマップより進捗が大幅に遅れていることを認めつつ、「外環道で導入している、事後に請求するタイプのETC専用化に注力していた」と説明しました。

 しかし、「ETC専用化はしっかりやっていく」といい、向こう5年で地方部も専用化を進めていくことを表明。むしろ、ETCを通行料金以外の徴収にも活用する“チャレンジ”も進めていくそうです。

 それが、EVで高速道路を走るだけで充電される「走行中給電」の導入と、その課金です。

 同社は2025年11月、東京湾アクアラインの管理事務所敷地内で、地面に埋め込まれた送電コイルから停止中のEVへ非接触で給電することに成功しています。この技術自体はすでにありますが、このとき、充電量をETCシステムに伝達し、電気料金に変換しました。この技術を走行中給電の実験に反映するといいます。

 走行中給電の実証実験は2027年度以降、館山道 君津PA付近の本線で実施することが決まっています。ここで走行中給電の仕様・影響などを評価するとともに、ETCによる課金システムの開発にもつなげる構えです。

 走行中給電はかねて、様々な事業者が開発や実証を進めていますが、NEXCO3社において「本線の実証まで踏み込んでるのは東日本だけ」(田仲本部長)、さらに同社の場合はETCによる課金システムの開発もセットにしています。2115年までとはいかないまでも、ETCもまだまだ活かされそうです。