博物館入りした「白いロマンスカー」に宿泊! 特別なナイトツアーが開催される

運賃値上げで鉄道保守工事に注目

神奈川県海老名市のロマンスカーミュージアムで、開館5周年を記念したナイトツアーが開催されました。

「ロマンスカーミュージアム」開館5周年を記念したナイトツアーが開催

 神奈川県海老名市のロマンスカーミュージアムで、開館5周年を記念したナイトツアーが2026年4月18日から19日にかけて実施されました。特別な一夜を過ごせるイベントに潜入してきました。

 ロマンスカーミュージアムは、小田急線の海老名駅に隣接した場所にあり、今や海老名市を代表する観光スポットとなっています。

 今回のナイトツアーは、小田急電鉄が企画した「ロマンスカーミュージアム5周年ナイトツアー カウントダウンイベント&VSEで盛り上がろう!」として開催され、営業時間外の館内を貸切とし、普段は体験出来ないイベントを楽しむという内容でした。

 特筆すべきは、展示車両に“宿泊”できること。2026年3月から展示車両に仲間入りした「白いロマンスカー」ことVSE(50000形)、RSE(20000形)、HiSE(10000形)の3形式が宿泊車両となりました。

 RSEは先頭車だけでなく、個室やスーパーシートを備えた中間車のダブルデッカーに宿泊することも可能でした。参加者はツアー申し込み時に、どの車両に泊まるのか事前に選択します。

 集合時間は夜の20時。オリエンテーションの後、まずは展示車両がズラリと並んだ「ロマンスカーギャラリー」で、館内の照明を落とした幻想的な状態で撮影を楽しむことができました。

 ロマンスカーミュージアムは休日などに混雑することもあるため、人が写り込まない状態で展示車両を撮影できるのは嬉しいポイントです。NSE(3100形)には、海老名で生産が盛んなイチゴを描いた開館5周年記念ヘッドマークが掲出されていました。

 また、通常は公開されていないNSE、LSE、VSEの運転席も特別に見学・撮影が可能でした。運転士がF1ドライバーのように足を伸ばした姿勢で座る、航空機のコックピットを思わせる空間に入ることができたのです。元運転士のスタッフもおり、運転席の機器の役割や貴重な体験談を聞くことができました。

静まり返った独特の非日常感を体験

 23時30分頃から「ロマンスカーギャラリー」で、VSEが館内に搬入された時の貴重な映像が公開され、23時59分から開館5周年に向けたカウントダウンイベントが始まりました。参加者にはクラッカーと飲み物が配られ、日付が変わった0時0分にクラッカーを発射するという内容でした。

 ナイトツアーでは「ロマンスカーギャラリー」だけでなく、屋上の「ステーションビューテラス」も開放。屋上に出ると、終電間際の海老名駅や海老名検車区に並ぶ電車を望むことができました。

 0時45分頃に館内だけでなく、展示車両の室内灯も消灯となり、5時30分まで就寝時間となります。今回はVSEで一夜を過ごしました。

 VSEの車内は温かみがある木目調の内装、車両愛称の由来である「ヴォールト(アーチ状の天井)」、少しだけ窓を向いた座席が特徴。展示車両となっても現役時代と変わらない美しい状態が維持され、引退した車両とは思えません。

 静まり返った暗い車内で過ごすひとときは、夜行列車とは違う独特の非日常感がありました。横になって寝ることはできないため、体力を要しますが、ロマンスカー愛があればたまらない体験となります。また、希望者は消灯後にロマンスカーシミュレーターの体験も可能でした。

 起床時間になると、VSEの床下からポコポコという音が聞こえてきました。VSEは展示にあたってドアの開閉ができるようにするため、床下に電動空気圧縮機(コンプレッサー)が設置されており、宿泊者はそれが起動する貴重な場面に立ち会うことができました。

 起床後は海老名検車区に移動し、敷地内から出庫していく列車を見学。車庫内には小田急の車両だけでなく、乗り入れてきた東京メトロ16000系も滞泊していて、ちょうど出庫していきました。その後は館内に戻り、「ロマンスカーギャラリー」で車両を眺めながら朝食をとりました。

 ナイトツアーは通常営業時よりも格段に人が少ないため、じっくりと展示車両を見学でき、人が写り込まない情緒ある写真も撮影可能。いつもと違う雰囲気も存分に味わえます。静かな雰囲気の中でロマンスカーミュージアムを楽しめる、貴重な体験となりました。