【イスタンブール、ワシントン時事】米国とイランの停戦が続く中、戦闘終結に向けた2回目の協議が開かれるめどは立っていない。イラン港湾に出入りする船舶への海上封鎖で圧力を強める米国に対し、イランも要衝ホルムズ海峡での船舶拿捕(だほ)で対抗。双方が強硬姿勢を崩さないまま、相手側の妥協を待つ駆け引きが続いている。
「『強硬派』と『穏健派』の内紛は常軌を逸している!」。トランプ米大統領は23日、イラン政府内で意思が統一されておらず、指導者不在の状態だとSNSで批判した。トランプ氏は21日に停戦延長を表明した際、イランに協議を進めるための「統一した提案」を出すよう求めていた。
米紙ニューヨーク・タイムズは、精鋭軍事組織「革命防衛隊」の司令官らが「安全保障や戦争、外交の問題で主要な意思決定権者になっている」と報道。徹底抗戦を訴える強硬派に対し、戦闘終結を志向する穏健派の声は抑え込まれているもようだ。
イランは協議を仲介するパキスタンを通じて米国から新たな提案を受け取り、精査中としている。詳細は不明だが、イラン外務省報道官は22日、「イランの国益と業績」を守る重要性を改めて強調。ホルムズ海峡やウラン濃縮活動などを巡り、イランにとって「譲れない一線」で歩み寄る可能性は低い。
トランプ氏は停戦延長と併せて海上封鎖を続ける方針も示した。米軍は23日、イランからの原油を輸送するタンカーをインド洋で臨検したと発表。世界規模でイランの原油輸送への締め付けを図る狙いだ。米国は「ボールはイラン側にある」(バンス副大統領)との立場で、圧力をかけつつ、イランの出方を見極める構えを取る。
これに対し、イランは米軍による封鎖が解除されなければ再協議に応じないとけん制する。ロイター通信は23日、パキスタンが米イラン両国と接触を続けているものの、イランは海上封鎖などを理由に協議への代表団派遣を拒んでいると伝えた。パキスタンのダール副首相兼外相は停戦延長後も、同じく仲介役のトルコのフィダン外相らと電話で意見を交換。イランに翻意を促したい考えだ。
トランプ氏は23日、「私はみじんも圧力など感じていない」と強弁し、事態の長期化やイランによるホルムズ海峡封鎖の懸念払拭を図った。米イラン共に対決姿勢を緩める兆しはなく、交渉は「チキンゲーム(我慢比べ)」(元米高官)の様相を呈している。