元死刑囚次男「オウム、信仰せず」=公安庁検査は「違法」、国賠提訴―アレフ所属を否定・東京地裁

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 オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚=2018年に刑執行=の妻(67)と次男(32)宅への公安調査庁による立ち入り検査を巡り、検査は違法だったとして、次男が国を相手取り、損害賠償などを求めて東京地裁に昨年提訴していたことが4日、分かった。
 次男が地裁に提出した陳述書で、「いわゆるオウム真理教を信仰しているわけではありません」と記し、教団の後継団体「Aleph(アレフ)」には「所属しているわけではありませんし、かつて所属していたこともありません」と主張していることも判明した。立ち入り検査に絡み、次男の言動が明らかになるのは初めて。
 裁判記録などによると、公安庁は昨年3月26日、妻と次男が住む埼玉県越谷市のマンションに対し団体規制法に基づく立ち入り検査を実施しようとしたが、妻らは応じなかったとされる。同庁から告発を受けた県警が同4月14日、同法違反(立ち入り検査拒否)容疑で自宅などを家宅捜索した。
 翌15日午前1時すぎ、同庁職員は、別の場所での捜索立ち会いから帰ってきた次男と自宅前で接触。再び立ち入り検査のため説得を試みると、次男は「拒否するなら検査拒否罪になりますか」「意思決定をする材料が足りない」「弁護士に相談します」などと話し、その場を離れたという。
 次男は、自身が団体規制法の規制対象となるアレフの「役職員」「構成員」ではないことや、自宅が検査対象ではないことの確認を求め、昨年5月に提訴。職員に取り囲まれて検査に応じるよう強要されたことや、検査自体が「違法」などとして、300万円の損害賠償も請求している。同8月に第1回口頭弁論が開かれた。
 国側は、次男は「二代目グル(指導者)」を自称し、祭祀(さいし)活動を行うなど、アレフの意思決定に関与しうる立場の「役員」で、「構成員」にも該当すると主張。「アレフの実質的支配者」と指摘している。検査に向けた説得も違法性はないとして、全面的に争っている。
 昨年4月の家宅捜索で、自宅からは現金計数千万円のほか、松本元死刑囚の写真や教義に関わる教本などが見つかった。妻は02年ごろから、「絵画使用料」の名目でアレフから毎月40万円の送金を受けていることも判明している。 
〔写真説明〕オウム真理教元代表、松本智津夫元死刑囚の妻と次男の自宅=2025年7月、埼玉県越谷市