東京都豊島区東池袋の商業施設でアルバイトの女性(21)が刺殺された事件は、元交際相手の無職広川大起容疑者(26)=死亡=が関係解消後、女性に付きまとうようになり、一方的に執着心を強めて襲撃したとみられる。2日で発生から1週間。警視庁は容疑者死亡のまま、同容疑者を殺人容疑で書類送検する方針。
同庁などによると、2人は八王子市内の同じアルバイト先で知り合い、2024年10月に交際を始めた。同容疑者は、女性が「夢だった」という「ポケモンセンターメガトウキョー」に転職すると「お前には合わない、やめろ」と迫るように。これをきっかけに25年7月、女性から別れを告げたとされる。
同容疑者はその後、女性からLINE(ライン)をブロックされると、後をつけるなどストーカー行為に及んだ。同年12月25日には女性の自宅前に「今夜中に連絡をください。助けてください」と書かれたメッセージカードが置かれ、女性は同日、同庁に相談。捜査員が女性を自宅に送り届けた際、同容疑者が女性宅付近にいたため、ストーカー規制法違反容疑で逮捕した。
同容疑者は逮捕後の調べに対し、「女性が好きだった。復縁したかった」と供述。近くに止めたレンタカーから果物ナイフが見つかり、「自殺を考えていた」「周りを巻き込んで死ぬことを考えてしまう」とも話したという。
同庁は同容疑者を銃刀法違反容疑で追送検するとともに、女性を盗撮したとして性的姿態撮影処罰法違反容疑で再逮捕した。同容疑者は今年1月30日に略式起訴され、80万円の罰金を払い釈放された。
一方、女性は同庁の勧めで、1月上旬~2月上旬の約1カ月間、親族宅に避難。ポケモンセンターのアルバイトも休んだ。その間、同容疑者からの接触はなく、女性宅に取り付けた防犯カメラでも同容疑者が訪れた様子は確認されなかったという。
事件が起きたのは、釈放から約2カ月後の3月26日夜。商業施設を訪れた同容疑者は2度にわたり同センター内をうかがった上で、勤務中の女性を襲い、女性と自身の首付近を果物ナイフで交互に何度も刺した。涙を流し、意識もうろうとなりながらも刺し続けるなど、強い殺意があったとみられている。
同庁は殺人容疑で同容疑者宅を家宅捜索するなどし、事件に至った経緯を調べている。
〔写真説明〕女性が刺された商業施設「サンシャインシティ」に入る警視庁の捜査員ら=3月26日、東京都豊島区
〔写真説明〕高校時代の広川大起容疑者(知人提供)