昨年9月から3カ月続いた日本代表活動、安定したパフォーマンスで頭角を現したのが渡辺剛だ。持ち味のハードな対人守備と、左右中央を問わないマルチな才能で3バックを支えており、今や日本代表になくてはならない存在となった。
FIFAワールドカップ前最後の活動は、スコットランド代表、イングランド代表とのアウェイ連戦。ヨーロッパ勢との対戦は、2023年9月のトルコ代表戦以来、約2年半ぶりとなる。連勝を収め、いいイメージで本大会に向かっていきたいところだ。渡辺は「スコットランドもイングランドもワールドカップに出場するので、当たる可能性はゼロではないですし、こういうチームに勝てるということがワールドカップで高い順位を目指すことにつながってくると思う・ワールドカップを意識しながらできるいい試合になるかなと思います」と見据える。ハムデン・パーク、ウェンブリー・スタジアムとともに“聖地”と称されるスタジアムに乗り込み、勝利を目指す。
日本の選手にとっての“宿命”ともいえるのが、代表活動における長距離移動。9月はアメリカ、10月・11月は日本と欧州を往復し、帰ったら休む間もなくリーグ戦が始まる。ただ、今回は招集メンバー27名中24名が欧州でプレーする選手たち。「シーズンが終盤に差し掛かり、ケガや疲れのある選手もいる」という渡辺の言葉通り、金属疲労があることに間違いはないが、5日間の準備期間を経てスコットランド戦に臨めることはプラス要素だ。「自分自身のパフォーマンスやコンディションはいい方だと思います。この試合に向けて全員準備はできているので、コンディションがいい選手たちがチームを引っ張りながら、いいパフォーマンスを出せればいいかなと思います」と意気込む。
「まずは勝ちに行くこと。結果は大事ですし、ワールドカップにつながる一戦になると思います。試合展開は多分いろいろと監督も想定しているでしょうし、自分たちもその結果に応じて戦い方を変えないといけない。そこはベンチとフィールドの選手がうまく連携してやること。それこそワールドカップに向けて、すごく大事なシチュエーションになると思います」。まさに本番を想定した実戦の場となる今回のイギリス遠征。全てはワールドカップで勝つため。チーム、個人として、限られた準備期間の中で完成度を高めることが重要となる。
スコットランド戦の交代枠は「11」に決定。通常の交代人数は「5」。国際親善試合で増えることもあるが「11」は異例と言っていい。前述の通りシーズン終盤戦であること。またスコットランド代表のアンドリュー・ロバートソンは会見で「もちろん勝ちたいが、ワールドカップに向けて両チームがベストな準備をすることが目的。この試合はその準備の一環になる」という発言をしており、互いに本大会を見据えた中で思惑が合致したのだろう。その中で守備者としての役割について、こう語った。
「ハーフタイムで何人替わるのかは分からないですし、全く別のチームになる可能性もある中で、結果を出さないといけない。守備の選手は替わらないかもしれませんが、そこの交代をうまく乗り切るというか、うまく試合に入らせて、なおかつその選手の良さを引き出すのが僕たちの仕事だと思っています」
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)