富本銭を国宝に 論語注釈書写本も―文化審答申

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 文化審議会(島谷弘幸会長)は26日、日本最古の鋳造貨幣「富本銭」を含む奈良県飛鳥池遺跡出土品や、現存最古の論語注釈書写本「論語疏巻第六」など3件の美術工芸品を国宝に指定するよう、文部科学相に答申した。
 重要文化財には源頼朝の最古の肖像彫刻を含む「木造源頼朝坐像・木造源実朝坐像」など美術工芸品46件の指定を求めた。近く答申通り告示され、重要文化財は1万997件(うち国宝919件)となる。
 奈良県飛鳥池遺跡は同県明日香村にある7世紀後半の工房群遺跡。日本最古の鋳造貨幣「富本銭」や国内で初めて原料から生産したガラス製品、「天皇」との記載がある最古の木簡が出土した。律令(りつりょう)国家形成期を支えた一大官営工房の実態を鮮明に示す資料として学術的価値が極めて高いとされた。
 論語疏は中国南北朝時代(6世紀)の儒学者皇侃(おうがん)が編さんした論語の注釈書。中国では散逸し、日本でも所在不明だったが、近年、古書店で発見された。論語研究の最重要写本の一つで、日本文化史・書道史研究上も大変貴重とされた。
 「木造源頼朝坐像・木造源実朝坐像」はかつて信濃善光寺に安置されていたが、戦国武将の武田信玄が川中島の戦いによる焼失を避けるため、善光寺を甲府に移した際に合わせて移動したとされる。頼朝像内には命日などの記載があり、頼朝像は最古で唯一の肖像彫刻、実朝像は束帯姿の肖像彫刻の古例として重要とされた。
 また、全国で最も高い鉄道橋の高千穂橋梁(きょうりょう)など建造物139件を新たに登録有形文化財に登録することも求めた。