「論理国語」半数近くに小説=指導要領、ニーズと隔たり―教科書会社に戸惑いも

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 今回の教科書検定で、「論理国語」の教科書は8社から13点申請され、うち5社の6点が本文やQRコードの参照先に小説を掲載した。学習指導要領はあくまで「論理的・実用的な文章」を扱う科目とするが、教育現場のニーズとは隔たりがあり、各教科書会社からは戸惑いの声が上がる。
 高校の選択科目の現代文は2022年4月、論理的に書いたり批判的に読んだりする力を養う「論理国語」と、文学作品を扱う「文学国語」に再編された。必修科目の「現代の国語」と同様、文部科学省は当初、論理国語では文学的な文章を扱わないと説明していた。
 しかし、21年度の前回検定では、桐原書店と数研出版の2社が論理国語に小説を掲載し、合格。今回はこの2社に加え、東京書籍が柴崎友香さんの「黄色の日」を本文に掲載したほか、三省堂と第一学習社もQRコードの参照先として森鴎外の「舞姫」や「イソップ物語」などを掲載した。
 文科省は「小説の読解に終始しないよう、参考資料として適切に位置付けられていれば掲載は問題ない」とするが、各教科書会社からは「ややこしい」「一度線を引いておいて、後から基準を緩めたように見える」と不満がくすぶる。
 ある社の国語担当者は「現場の先生は、従来通り小説を教える機会を確保したがっている。そうしたニーズと、指導要領に誠実な教科書を作りたい思いとの板挟みだ」と漏らす。
 別の社の担当者によると、文学国語の授業を行わない学校も少なくないため、「舞姫」などの定番小説を読まないまま卒業する生徒も増えたという。この担当者は「教育現場も戸惑っている。論理を学ぶ教科書から文学を排除する発想は、むしろ学びの幅を狭めてしまったのではないか」と語った。 
〔写真説明〕小説が掲載された論理国語の教科書