フランスのスタートアップ航空企業、Beyond Aero(ビヨンド・エアロ)は2026年3月17日、開発中の水素電動ビジネスジェットが予備設計審査(PDR)を完了したと発表しました。
ツイン・プロップファンかつプッシャー型
フランスのスタートアップ航空企業、Beyond Aero(ビヨンド・エアロ)は2026年3月17日、開発中の水素電動ビジネスジェットが予備設計審査(PDR)を完了したと発表しました。
PDRでは風洞実験やサブスケール機の飛行試験などを実施しました。今後同機の開発は、欧州航空安全機関(EASA)のCS-25および米連邦航空局(FAA)のPart25という、商用旅客機と同等の厳格な基準での認証取得に向け、本格的に前進することになります。
ビヨンド・エアロの機体は、燃料電池による電動推進と、ターボファン・ターボプロップの特徴を組み合わせた「ツイン・プロップファン」構成を採用しています。また、2基のエンジンは、前方ではなく後方にファンを備えているプッシャー型になっているのが特徴です。
燃料となる水素は、700バールに圧縮された気体を翼上部の外部タンクに貯蔵します。この方式により、極低温の液体水素を扱う必要がなく、構造の簡素化と安全性の向上が期待されます。また、既存の空港インフラとの互換性も確保しやすく、機体は700バールの固定式設備だけでなく、350バールの移動式水素ステーションにも対応する設計です。
今回の審査完了を受け、エロア・ギロタンCEOは「水素を動力とするビジネス機が、現実的に認証可能であることを示した」と述べ、「水素電動推進の制約に適応しつつ、ビジネス航空に求められる性能と安全性を満たす機体の開発を目指す」と意気込みを語りました。
水素を活用した航空機は、バッテリー電動機では難しい長距離飛行を実現できる可能性があります。ビヨンド・エアロの開発中機体は最大約1,500kmの航続距離を想定しており、脱炭素化が求められる航空業界で注目されています。