エンジンメーカーのロールス・ロイスは2026年3月11日、次世代戦車向けの駆動システム開発をZFと共同で行う形で、ドイツのBAAINBwから委託を受けたと発表しました。
ハイブリッド式の駆動システムに
エンジンメーカーのロールス・ロイスは2026年3月11日、次世代戦車向けの駆動システム開発をZFフリードリヒスハーフェンと共同で行う形で、ドイツ連邦軍装備・情報技術・運用支援局(BAAINBw)から委託を受けたと発表しました。
メイン・グランド・コンバット・システム(MGCS)はドイツとフランスが共同で開発する次世代戦車で、欧州主力戦車の後継として位置付けられます。完成すれば、ドイツのレオパルト2シリーズとフランスのルクレール戦車の両方を置き換える予定です。
同車両には、エンジンと電動モーターを統合した 重装甲車両向けハイブリッド駆動システム が搭載されます。ロールス・ロイス・パワーシステムズとZFが共同で開発を進めており、10V 199 mtuエンジンを中心に、ハイブリッドパワーパック全体で1,400キロワット以上の出力を発生するシステムが計画されています。
この10V 199 mtuエンジンが並列ハイブリッド設計の一部として戦車や装甲車に搭載されるのは今回が初めてです。エンジンは最新の電子制御技術と戦場で求められる頑強性を両立しており、複数の燃料で稼働可能な頑強な燃料噴射システムを備え、低品質燃料にも対応できると発表されています。
また「サイレントウォッチモード」では、エンジンを停止した状態でセンサーや通信システムに電力を供給し、長時間にわたり静かに監視を行うことができます。さらに、電動モーターのみでの静音走行も可能です。
ロールス・ロイスは、この駆動システムについて、2020年代末までに試作型を完成させ、2030年代初頭から量産可能としています。
なお、ドイツとフランスの共同開発にイギリス企業であるロールス・ロイスのシステムが使用される背景には、2011年のMTUフリードリヒスハーフェン買収があります。2014年にロールス・ロイス・パワーシステムズとして完全子会社化された後も、開発・生産拠点はドイツ国内が中心で、輸出管理や安全保障上、エンジンの開発・生産はドイツ政府の規制下に置かれています。