迎撃ミサイル枯渇に懸念=イラン攻撃、ロシア「弱体化」も―駐日ウクライナ大使インタビュー

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 ウクライナのユーリー・ルトビノフ駐日大使は13日、東京都内で時事通信のインタビューに応じ、米イスラエルのイラン攻撃による中東情勢の緊迫化で、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの迎撃ミサイル供給に「悪影響が及ぶかもしれない」と述べ、在庫の枯渇に懸念を示した。一方、ロシアと軍事協力を続けるイランが攻撃を受けたことは、ロシアの「弱体化」につながるとも語った。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は今月、米イスラエルの軍事作戦開始から数日で中東諸国では約800発の迎撃ミサイル「パトリオット」が使用されたと述べた。ルトビノフ氏はこの発言を引用し、「われわれの防衛に一番欠かせないものが、このミサイルだ」と訴えた。
 ルトビノフ氏によると、パトリオットは米国で月60発程度しか製造されない。戦争が長期化すれば供給が滞る恐れがあると警戒感を示した。
 イランに関しては、2022年のウクライナ侵攻開始当初からロシアに自爆ドローン「シャヘド」を供給するなど支援を続けてきたと指摘。現在もロシアの兵器にはイラン製の部品が使われているとし、イランの軍事施設などへの攻撃が「ロシアを弱体化させることは間違いない」と話した。
 同氏によれば、イランが湾岸諸国にドローンで反撃を続けていることを受け、米国などがウクライナに支援を要請。ウクライナは専門の対策チームを中東に派遣した。同氏は「(侵攻されてから)4年の経験を持つウクライナのドローン技術が認められた」と語る。無人機の迎撃には高コストのミサイルではなく安価なドローンがより適切だとし、「一番優れた技術はウクライナにある」と強調した。
 日本で防衛装備品の輸出規制緩和が議論されていることについては、「将来的なさまざまな装備品の移転に深い関心がある」と明かした。軍事分野での共同研究にも興味があるとし、「ウクライナの知見と日本の技術を組み合わせ、防衛力(の向上)に役立てられる」と述べた。
 

 ユーリー・ルトビノフ氏 74年、キーウ生まれ。93~94年、龍谷大(京都市)で日本語と経営学を学ぶ。95年、ウクライナ外務省入省。在日大使館公使参事官、大統領府欧州・大西洋統合総局副局長などを経て、25年9月から駐日大使。在日大使館での勤務は計20年近い。日本語が堪能。 
〔写真説明〕インタビューに答えるウクライナのユーリー・ルトビノフ駐日大使=13日、東京都港区
〔写真説明〕インタビューに答えるウクライナのユーリー・ルトビノフ駐日大使=13日、東京都港区