自民旧派閥、動き活発化=影響力確保狙い、党内に懸念も

人類が月面に再び立つ日も近い?

 衆院選に大勝した自民党で「派閥」の動きが活発化している。裏金事件を受けて麻生派以外は解散したが、新人議員らの囲い込みに実力者が動く。数の力による影響力の確保が狙いで、内輪の勢力争いも表面化。ただ、早くも派閥復活と映る動きには懸念の声も漏れる。
 党内最大派閥だった旧安倍派の萩生田光一幹事長代行は、衆院選で国政復帰した議員ら約20人と2月25日に国会近くの中国料理店で会合を開いた。萩生田氏は自身のブログで「メディアは早速派閥復活とあおるが、価値観を共有する政策で集まることはある」と連携への期待を隠さない。
 会合は旧安倍派の有力者「5人衆」のうち、萩生田氏と西村康稔選対委員長が中心となって呼び掛けた。一方、裏金事件で離党した世耕弘成元経済産業相は招かれなかったという。閣僚経験者は「5人衆の主導権争いだ」との見方を示す。
 旧二階派も5日夜、東京都内で二階俊博元幹事長も参加して会合を開き、武田良太元総務相、小林鷹之政調会長ら約20人が集まった。事務総長だった武田氏を中心に「研究会」を発足させたが、小林氏も党総裁選で自らを支持した議員との会合を予定するなど独自の動きを強める。
 旧岸田派の岸田文雄元首相は、2月25日に新人約10人を含む30人規模で会食し、存在感を示した。ただ、ベテランを中心に総裁選で林芳正総務相を推した議員も会合を重ねており、水面下の綱引きが激しくなりそうだ。
 旧茂木派は、昨年の総裁選で茂木敏充外相を支えた中堅・若手が、毎週昼に国会内で集まる。関係者によると、新人議員も複数参加しているという。
 唯一存続する麻生派は、衆院選後に18人が入会して計60人になった。会長の麻生太郎副総裁はさらなる拡大に意欲を示している。
 派閥には、人事や選挙などで相互扶助の側面があった。党中堅は「これだけ大所帯になれば、班分けは必要だ」と必要性を強調。もっとも、解散の要因となった「政治とカネ」の問題に対し、世論の視線はなお厳しい。党関係者は「あの反省は何だったのかと有権者から批判される」と不安を口にした。 
〔写真説明〕記者団の取材に応じる自民党の武田良太元総務相=5日、東京都中央区
〔写真説明〕自民党本部に入る萩生田光一幹事長代行=2月9日、東京・永田町