女性の色はピンク?=性差基づく偏見、今も―識者「自由に選べる社会に」・国際女性デー

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 おもちゃ・雑貨や特撮番組「スーパー戦隊シリーズ」のメンバーなど、「女性と言えばピンク」との固定観念は根強い。そこにはジェンダーバイアス(性別に基づく思い込みや偏見)の存在が指摘される。東京家政大の石井国雄准教授(社会心理学)は「性別に縛られず、一人ひとりが好きな色を使える社会になってほしい」と話す。
 石井氏によると、性別に基づく色のイメージは20世紀前半につくられたという。その起源の一つとされるのが、米カリフォルニア州の教育研究機関「ハンティントン・ライブラリー」で1920年代に飾られた2枚の絵だ。
 描かれているのは、青い服を着た少年と、ピンクのリボンがあるドレスを着た少女。展示は好評を博し、これに着想を得たデパートが販売戦略の一環で男女別の色を用いるようになったとの説がある。その後、「男は青、女はピンク」というイメージが欧米で定着し、日本でも浸透した。
 現在、通販サイトなどで「おもちゃ 女の子」と検索すると、ピンクを基調としたビーズやメークセットなどが次々と表示される。女性は物心が付く前から自然とピンクの物に接する環境がつくられている、とも言える。石井氏はこうした現状について「ピンクは女の子の物で、女の子だからピンクを選ばなければいけないとのメッセージを子どもに伝えている」と指摘する。
 ただ、男女の色を巡っては、脱ステレオタイプの動きもある。かつては黒と赤だけだったランドセルには、紫、水色、茶色など多彩な色が登場。おもちゃでも、男女で色分けをしないといった取り組みが広がる。ままごとや人形といった「女の子向け」とされる商品でも、白や茶色などニュートラルな色が使われるようになってきている。
 石井氏は「性別ごとに色分けをすることで自由な選択ができなくなっている。性別に縛られることなく、好きな色を使えるようになったらいい」と話している。
 【編集後記】幼少期、ピンクやレース、フリルの付いた服が苦手だった。取材を通じ、私が嫌だったのはデザインそのものではなく、「女の子らしさ」に当てはめられることだったと分かり、心が軽くなった。
 そして現在。多様性がうたわれる時代になっても、社会にはびこるステレオタイプはなかなか消えない。誰かの生きづらさを解消できるよう、記者として自分の中にある常識を疑う姿勢を持ち続けたい。(時事通信社会部記者・村本茉生)。 
〔写真説明〕取材に応じる石井国雄東京家政大准教授=2月17日、東京都板橋区
〔写真説明〕国際女性デー2026