「ハメネイ後継」選出焦点=体制転換狙う米介入も―イラン

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 【イスタンブール時事】イランで約37年間にわたり最高指導者に君臨したハメネイ師が死亡したことで、後継の指導者選びが今後の大きな焦点となる。指導部にとってはイスラム教シーア派の高位法学者が統治する現在の「イスラム共和制」の存続が最優先となる中、国際社会がその人選を注視している。
 国政全般を統括する最高指導者が代わるのは、イラン革命を率いたホメイニ師が1989年に死去し、ハメネイ師が2代目に就任した時以来。わずか1度しか前例がない。最高指導者の要件は「模範となり得る」「政治・社会の見識、勇気、指導力がある」などと決められている。
 最高指導者は、イスラム法学者で構成する「専門家会議」(定数88、任期8年)が選出する。メンバーは直接選挙で選ばれるが、「護憲評議会」の事前資格審査を通過した人物のみが立候補できるため、現体制や精鋭軍事組織「革命防衛隊」に近いとされる。2024年の前回選挙では、反米保守強硬派が過半数を占めた。
 ハメネイ師は生前、自身の求心力維持のため後継者の有無を明かさなかった。ただ、昨年6月に米・イスラエルの攻撃を受けた際、米紙ニューヨーク・タイムズはハメネイ師が後継者候補3人を選んだと報道。後に1人が死亡し、残るは司法府代表や初代指導者ホメイニ師の孫とされる。
 トランプ米大統領は1日、同紙の電話インタビューで、イランの新たな指導者として「非常に良い選択肢が三つあるが、今は明かさない」と述べるにとどめた。現体制打倒を画策する米国とイスラエルがイラン国内の混乱に乗じ、選出手続きを妨害する可能性も否定できない。
 イランで反体制デモが激化した1月、米国のウィトコフ中東担当特使はトランプ氏の指示で、革命で倒された親米パーレビ王制のレザ元皇太子と面会したと明かした。「世俗的かつ民主的なイラン」を目指すレザ氏は、イスラエルのネタニヤフ首相とも親交がある。ただ、イラン国内ではかつての独裁下で汚職もまん延した王制の復活を望む声は多いとは言えず、支持が広がるかは見通せない。 
〔写真説明〕1日、イランの首都テヘランで、最高指導者ハメネイ師の死去を悼む人々(EPA時事)
〔写真説明〕1日、イラン・テヘランで最高指導者ハメネイ師の死去を悼む人々(EPA時事)