米、イラン体制打倒視野に=核協議から一転、軍事作戦

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 【ワシントン時事】トランプ米大統領はイランに対する大規模攻撃に踏み切り、最高指導者ハメネイ師を頂点としたイラン革命体制の打倒を視野に入れた強硬姿勢を鮮明にした。26日にスイスで開かれたイランの核開発問題を巡る政府高官協議では交渉継続で合意していたが、交渉から一転して力によるこう着状態打開に方針転換した。
 「47年間、イラン政権は『米国に死を』と叫び続け、終わりのない流血を展開してきた」。トランプ氏は米東部時間28日未明(日本時間同日夕)に公開したビデオ声明でこう述べ、1979年の革命以降の一貫した対米敵視姿勢を非難した。
 トランプ氏はその上で、イラン国民に「政府を掌握せよ」「おそらく数世代に一度の機会となる」と蜂起を呼び掛けた。ただ、トランプ氏が体制転換のために大規模な地上部隊をイランに派遣する可能性は低いとみられ、反体制デモが徹底的に弾圧された直後のイラン国内でトランプ氏の呼び掛けに呼応する動きが出てくるかも未知数だ。
 トランプ氏は攻撃に先立ち、イランとの核協議に「満足していない」と記者団に不満を示していた。しかし、核協議を仲介するオマーンのバドル外相が、イランが保有する濃縮ウランの大幅希釈に同意したと明らかにするなど、一定の進展も見られていた。今回の攻撃で、こうした協議が振り出しに戻る可能性がある。
 米国内に目を転じると、トランプ氏を巡っては、支持率が低迷するなど逆風が強まっていた。看板政策の相互関税は連邦最高裁に無効とされ、少女らの性的搾取で起訴された米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の事件も尾を引いたまま。イラン攻撃には11月の中間選挙を控え、米国民の関心を外に向けさせる思惑も見え隠れする。
 ただ、米国はかつてイラクやアフガニスタンで軍事介入による体制転換を果たしたものの、その後の統治がうまく進まず、泥沼化を余儀なくされた経験がある。トランプ氏は過去にこうした介入を非難してきたが、今後の展開次第ではイランで同じ轍(てつ)を踏む恐れもある。