5500年前の人骨から梅毒DNA=新亜種か、コロンビア遺跡で検出―進化解明の手掛かり・国際チーム

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 南米コロンビアの首都ボゴタ近くの遺跡で約5500年前の狩猟採集民の人骨が発掘され、梅毒を引き起こすらせん状の細菌「梅毒トレポネーマ」のDNAが検出された。分類上、現代の梅毒とは亜種レベルで異なるが、最古の検出例で、新亜種の可能性がある。スイス・ローザンヌ大や米カリフォルニア大などの国際研究チームが28日までに、米科学誌サイエンスに発表した。
 梅毒トレポネーマは現在、3亜種が知られる。梅毒は皮膚の紅斑が特徴で、中枢神経系が侵される場合もあり、主に性行為で感染する。これに対し、「風土性トレポネーマ症」と総称される2亜種のイチゴ腫とベジェルなどは皮膚の腫れやこぶが生じ、そこから出る体液により感染する。
 3亜種の祖先は約6000年前に分かれたが、今回検出された新亜種候補はこれらとは約1万3700年前に分岐していたと推定された。梅毒トレポネーマは実験室での培養が困難で、基礎研究があまり進んでいない。古代DNAの研究は、亜種レベルの違いで症状と感染経路が異なる原因や進化過程を解明するのに役立つと期待される。
 この人骨は中年男性で、脚の骨からDNAを抽出して解読中に梅毒トレポネーマのDNAが見つかった。症状は確認できないが、病原性があったとみられる。
 梅毒は15世紀に欧州で大流行した後、世界に広まった。米大陸を「発見」した探検家コロンブスの一行が欧州に持ち帰ったとの説がある一方、大航海時代の前から欧州に存在したとの説もある。 
〔写真説明〕南米コロンビアの首都ボゴタ近くの遺跡。約5500年前の人骨が発掘され、梅毒を引き起こす細菌のDNAが検出された(スイス・ローザンヌ大提供)