株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町の甘味処で抹茶を飲みながら投資談義を行っています。
T:2月6日から22日まで、イタリアでミラノ・コルティナ冬季五輪が開催され、日本はメダルラッシュに沸きました。多くの感動的な場面がありましたね。
神様:こうした冬季五輪での日本人選手によるメダルラッシュも、投資家心理の向上を促すかもしれませんね。
T:なるほど、そういうものですか?スポーツ漬けの1年となる2026年。日本中で最後まで盛り上がることを願いたいです。
神様:おっしゃる通り、日本をスポーツで元気にしてもらいたいところです。さて、今週は日本の高齢化について話しましょう。日本は超高齢化社会を迎えていますが、日本の国土、社会自体も高齢化を迎えています。
T:と言いますと?
神様:道路、橋、トンネル、上下水道など、日本のインフラ設備は1970年代の高度経済成長期に建設されたものが多く、建設後50年目に差し掛かろうとしています。「建設後50年目」は、更新の目安でもあるのです。帝国データバンクは、こうしたインフラ設備が建設後50年を超える割合は今後急速に高まる見込みであることを指摘しており、日本全国のインフラ設備の老朽化が懸念されています。

T:インフラ設備と言えば、人の生活の土台であり、社会にとって欠かせないものです。きちんとした保守を行い、更新を行っていくことが大事ですが、そうはいかないのでしょうか?
神様:日本の労働力の減少により、建設業の人材は減少し、人手不足が深刻化しています。それに加えて大地震への備えや豪雨等の自然災害の激甚化など、日本は災害大国です。インフラ設備の老朽化で日本はまさに“三重苦”の有様です。厳しい状況ではありますが、道路・橋・トンネル・上下水道のどれをとっても社会に必要不可欠です。もし、それらが適切にメンテナンスされなければどうなるか?笹子トンネルの事故を覚えていますか?
T:はい。2012年12月2日、山梨県の中央道上り線・笹子トンネルで天井板が崩落した、痛ましい事故のことですね。
神様:事故の後、国土交通省のトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会による報告書では、天井板を固定していたボルトの劣化や不適切な維持管理などが事故の原因であると指摘されています。
T:笹子トンネル事故のようなことが二度と起こらないようにしないといけませんね。
神様:まさに一刻を争う対応が求められます。2025年6月、政府は第1次国土強靭化実施中期計画において、2026年度から2030年度にかけてインフラ設備を更新することを閣議決定しました。事業規模を見ると、2026年度からの5年間で20兆円強です。計画の初年度となる2026年度の概算要求額は約6.6兆円となり、前年度比で24.5%の増加です。

T:2026年度から、国土強靭化に関する予算が急激に伸びているのですね。
神様:第1次国土強靭化実施中期計画は、2021年度からスタートし、2025年度末で終了する「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の後継に当たります。インフラ関連の事故はなくならず、2025年1月28日には埼玉県八潮市で道路陥没事故が発生しました。大規模な予算で老朽化した公共インフラを一気に更新していく計画です。
T:日本の国土強靭化に向けた強力な予算が実施されるわけですから、建設会社を始めとしたインフラ設備工事の関連企業が注目されます。国民の生命と生活を守るインフラ設備がしっかり整えられ、日本が元気になることを願います。
(この項終わり。次回3/4掲載予定)
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