「あと1年くらいかかると思いますよ」 高速“バイク料金”は本当に独立するの? 料金見直し、議論するほど煽られる“業界間の対立”

プライベートブランド需要に注目

国土交通大臣の諮問会議で、高速道路の新たな料金体系、特に二輪車の料金区分独立について議論が進んでいます。日本維新の会の石井めぐみ参議院議員が、その実現に向けた見通しについて言及しました。

ヒアリングに「あと1年」? バイク料金独立への長い道のり

 国土交通大臣の諮問会議「国土幹線道路部会」(朝倉康夫東京工業大学・神戸大学名誉教授)で、高速道路の新たな料金体系について議論が加速しています。

 ETCがスタートした当時の構想によれば、料金収受がデジタル化すれば、車種区分は現行の5車種から飛躍的に細分化することができるはずでした。それから20年以上。答申でようやく軽四輪車と二輪車を分離する「バイク料金区分の独立化」が方向づけられていますが、部会では発言する委員の多くが反対しました。

 本当に、バイクの料金区分は誕生するのでしょうか。参議院国土交通委員会の委員でもある日本維新の会・石井めぐみ議員が、2026年2月12日に福井市内で開催された福井県オートバイ事業協同組合の総会であいさつし、次のように見通しを話しました。

「今、国土幹線道路部会では料金体系についての議論を進めていて、関係団体のヒアリングが続いています。AJ(全国オートバイ組合連合会)は、いちばん最初にヒアリングを求められましたが、予定している団体は、AJを含めて13団体あるとされています。国交省では、1つの団体に2か月ほどかかるとされているので、まだ1年ぐらいかかるかなと思っています」

 国土幹線道路部会がAJに出席を求めたのは、2025年11月19日のことです。これを皮切りに、同年12月25日に全国軽自動車協会連合会、2026年1月21日にはJAF(日本自動車連盟)がヒアリングを受けました。国土交通省ではJAFを、自動車ユーザーを代表する団体として把握しており、それぞれバイク、軽自動車、登録車の立場でヒアリングを受けた形です。

これ以外の団体がどこか。その日程については公表されていません。仮にあと10団体のヒアリングが続くとなると、それだけで2026年は終わってしまいそうです。

 石井氏は、新たな高速道路料金のスケジュール感について、2025年12月2日の参議院国土交通委員会で国交省に質問しています。しかし、実現のめどについての言及はありませんでした。

「関係団体からもヒアリングを行うとともに、各団体からのご意見も踏まえた有識者の議論を経て、新たな車種区分を決定していく予定であります。高速道路料金の車種区分が、利用者の皆様の大きな関心事項であることをしっかりと認識して、引き続き、有識者や関係団体、利用者の意見を幅広くうかがいながら、丁寧に検討を進めてまいります」(沓掛敏夫道路局長)

いまは「大幅割引を前提にした料金体系」

 部会がこの後に予定するヒアリングは、大型車、物流や旅客を支える運送事業者の団体です。国土幹線道路部会の議論は「これから難しい局面に入る」と話す関係団体もあります。

 現行の大型車以上の高速道路料金は、設定した通行料金と実際の支払い額に大きな乖離があります。現行の5車種区分は、車両が大きくなるほど通行料金が高くなる設定です。しかし、それは形式的なものです。

実際には、事業者が対象となりやすい大口多頻度割引やETC2.0割引が、深夜割引など時間帯割引と重ねて適用することが可能な制度で、実質的に乗用車と同等の割引料金で高速道路を利用できるようになっています。

 物流を支えるために割引を続けることが必要であるという社会背景から、ETC2.0割引は1年更新の割引ですが、2016年から継続され、固定化された感があります。

 首都高速が2026年10月から実施する値上げの説明では、通行料金の大幅な割引制度を実質的に支えているのは、「軽自動車等」や「普通車」の利用者です。現状は「利用に応じた負担」の考え方が、すでに実態と合わなくなっていることを示しています。

 では、適正に物流を支えるために、誰がどのように、高速道路の建設と更新に必要な費用を負担していくのか。業界団体のヒアリングを重ねるほどに、車種間の料金対立を深める残念な結果になっています。

 バイク車種区分の独立を求めるAJに対して、国土幹線道路部会の委員の一人は、次のように疑問を投げかけています。

「例えばハーレーの大型などは1700ccで600kgぐらいあったりとか、やっぱり軽自動車並みの大きさを持っているということもありますので、なかなか一概に言えないのかなと。データがない中で、小さいものの議論だけでは言えないのかなと思ったり、確かに車幅を考えると、ハーレーといえど、軽自動車よりちょっと狭い範囲で走りますので、なかなかどう判断したらいいのかなということを悩んだ次第です」

 これに対し、モデルに詳しい二輪車ジャーナリストは、次のように話します。

「バイクは四輪車と違って基本、人の力で取り回しする乗り物ですからね。ハーレーと言えども、カウルが張り出した大型のツーリングモデルでも400kgを超えるものは、ほとんど国内で走っていません。標準は300kg前後。600kgもある車体をどうやったらSA/PAの狭い駐車場で取り回しできるのか、私にはよくわかりません」

(AJ福井総会で)