中国、戦争継続で双方から実利=対ロ蜜月、ウクライナとも商取引―侵攻4年

安いだけでない PB市場に変化?

 【北京時事】開始から4年となるロシアのウクライナ侵攻を巡り、中国の習近平政権はロシアとの友好関係を保つ一方、ウクライナとの通商も拡充させている。当事国双方から実利を得つつ、戦後復興を見据え、ウクライナへの関与を維持する狙いがあるもようだ。
 米国や北大西洋条約機構(NATO)との対立構造を背景に、中ロの戦略的利害はおおむね一致している。中国は表向き「中立」姿勢を掲げるが、ロシアからの原油購入や軍民両用品の対ロ輸出を通じ、侵攻を下支えしてきた。昨年以降、台湾問題を巡り日中間の緊張が高まると、ロシアのラブロフ外相が台湾有事の際の中国支持を表明するなど共闘姿勢を示した。
 軍事連携も強化しており、英シンクタンクは昨年、ロシアが中国軍空挺(くうてい)部隊に装備品や訓練を提供する合意を結んでいたとする報告書を発表した。ウクライナでの「実戦経験」が台湾侵攻に応用される可能性が指摘されている。
 ロシアとの「蜜月」と対照的に、中国は外交面ではウクライナから距離を置く。侵攻後、習国家主席はロシアのプーチン大統領と頻繁に会っているが、ウクライナのゼレンスキー大統領と直接言葉を交わしたのは電話会談1回のみだ。
 ただ、中国とウクライナはもともと友好関係にあり、2019年には中国がロシアを抜き、ウクライナにとって最大の貿易相手国になった。侵攻後に商取引は一時落ち込んだが、中国税関総署によると、24年以降は中国からの輸出額が前年比3割超ずつ伸びている。
 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今月、ウクライナで中国製蓄電池や太陽光パネルの需要が急増していると報じた。ロシア軍によるエネルギー関連施設への攻撃が続く中、商機を見た中国企業が続々と進出し、「ロシアの戦争努力を損なっている」(同紙)。ウクライナ側の統計では、昨年の中国からの輸入額は侵攻前を上回っているという。
 ロシア、ウクライナ双方から利益を得る中国だが、戦争継続を望んでいるとは言い難い。ロシア支援を続ける限り、習政権が関係強化を望む欧州との間の溝は埋まらず、米国が強力な対中制裁を繰り出すリスクも常に付きまとう。
 ウクライナは巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝に位置し、中国としては、関係が修復不能になるような事態は避けたい考え。習政権は今後も、米国をはじめとする国際社会の動向をうかがいつつ、立ち位置の調整を続けるとみられる。 
〔写真説明〕ロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席=2025年9月、北京(EPA時事)