欧州、「ロシアと対話」足並みに乱れ=仏は推進、独慎重―ウクライナ侵攻4年

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 【パリ時事】フランスのマクロン大統領がウクライナの和平と欧州の安全を確保するため、ロシアのプーチン大統領との対話再開に向けた取り組みを始めた。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始から4年の節目が迫る中、トランプ米政権が仲介する和平交渉に欧州は招かれず、いら立ちを募らせた格好だ。ただ、ドイツのメルツ首相は「ロシアに話し合う気はない」と慎重姿勢で、欧州連合(EU)内の足並みの乱れが表面化している。
 「ロシアと直接連絡を取るルートを設けることにした」。マクロン氏は13日、独南部でのミュンヘン安全保障会議で演説し、「欧州には守るべき利益がある」と訴えた。
 昨年1月の第2次政権発足以来、トランプ大統領は欧州軽視の姿勢が鮮明だ。マクロン氏は、和平交渉を米国に任せると欧州の安全保障に悪影響を与えかねないと懸念。AFP通信によれば、3日にはボンヌ大統領補佐官(外交担当)をモスクワに送り込み、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)と会談させた。
 侵攻開始後、EUはロシアとの対話を実質的に封印した。マクロン氏は昨夏、プーチン氏と約3年ぶりに電話会談。成果はなかったが、米ロが頻繁に協議している以上、「欧州もロシアと議論を再開すべきだ」という意見に傾いていった。
 しかし、これに「待った」をかけたのがメルツ氏だ。ミュンヘン安保会議で「話し合う意味があるなら喜んでそうするが、ロシアにまだその気はない」と分析。停戦が実現するのは「ロシアが経済的・軍事的に力尽きた時だけだ」と述べ、暗にマクロン氏の言動は時期尚早だと批判した。
 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は「欧州が(和平交渉の)テーブルに着いていないのは大きな誤りだ」と強調し、マクロン氏の焦燥感に理解を示した。それでもロシアとの直接対話には否定的で、今月上旬の仏テレビのインタビューでは「プーチンは欧州を侮辱しようとするだけだ」と語り、得られるものは何もないと断じた。
 当のロシアは、ラブロフ外相が地元テレビで「真剣に話したいなら(プーチン)大統領はどんな提案にも耳を傾ける」と表明。その上で、欧州に首尾一貫した立場はなく、「和平交渉を阻止し、混乱させる」のが真の狙いだと主張した。 
〔写真説明〕フランスのマクロン大統領(左)とドイツのメルツ首相=12日、ベルギー中部リンブルフ州(AFP時事)