ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子代表の中井亜美選手(17)=TOKIOインカラミ=は5歳の時、出身地の新潟市でスケートを始めた。小学6年まで所属していたクラブで指導者を務める渡部泉さん(61)は、五輪出場を決めた教え子と対面。「背負い込まずに自分のスケートを楽しんで、生き生きと世界に披露してほしい」とエールを送った。
中井選手はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を代名詞に活躍した2010年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央さんに憧れ、リンクに立った。「とにかく滑るのが大好き。私たちが、週1回は休んでと言わないと休まない子だった」。渡部さんは当時を振り返る。
当初、グループレッスンに入っていた中井選手だったが、最初の個人レッスンで6種類の1回転ジャンプを全て成功させて驚かせたという。渡部さんは「次はこうしてみたいと、自分で考えながら滑る姿勢が幼いころから印象的だった」。練習の合間にレッスンで受けた指摘や課題をノートに書き記していた。クラシックバレエにも取り組んだ。「センスもあり、努力も怠らなかった」と評す。
中井選手が3回転半に初めて成功したのが、小学6年の時。跳びはねて喜ぶ姿を、渡部さんはよく覚えている。憧れた人の大技を、自身の武器として大舞台を迎える。「成長過程で関わることができたことは指導者として大きな誇り」と渡部さん。その上で「地方からでも世界へ挑戦できるという大きな希望と目標を示してくれた」と喜んだ。
〔写真説明〕取材に応じるフィギュアスケート指導者の渡部泉さん=1月27日、新潟市