中国主導の高速鉄道、債務返済に苦慮=年110億円を国費負担へ―インドネシア

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 【ジャカルタ時事】インドネシア政府が、中国の主導した高速鉄道の財務悪化への対応を迫られている。2023年10月の開業から2年余り、事業費の膨張や利用者の低迷で債務の返済に苦慮し、当初は予定していなかった国費投入に踏み切らざるを得ない状況だ。
 現地メディアによると、プラスティヨ国家官房長官は今月10日、債務返済に国家予算を充てることが決まったと説明。支出額は年約1兆2000億ルピア(約110億円)に上るという。
 高速鉄道は最高時速350キロで、首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間の約140キロを45分程度で結ぶ。在来線より高い運賃や市街地から離れた駅の立地などが響き、1日6万人程度と見込まれていた利用者数は3分の1にも届いていない。
 整備を巡っては、ユドヨノ政権(04~14年)下では日本が提案した新幹線方式の採用が有力視されていた。しかし、続くジョコ政権下の15年、インドネシア政府の費用負担は生じないとアピールした中国が受注した。
 ただ、19年に予定されていた開業は4年遅れ、事業費も想定の1.2倍の72億ドル(約1兆1000億円)に膨らんだ。このうち75%が中国国家開発銀行による融資だが、利払いが経営の大きな負担となっている。
 インドネシアの高速鉄道は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の目玉の一つだった。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は、開業2年を迎えた昨年10月、「財務データや経済指標だけでなく、公共的な効果や総合的な収益も見るべきだ」として、現地では高い評価を得ていると主張した。
 高速鉄道は将来的にジャワ島東部までの延伸が検討されており、実現すれば収益性が高まるとの期待もある。しかし、中国側が当初掲げていた「国費不要」の前提は崩れ、インドネシア政府関係者からは「延伸部分は中国でなくてもいい」との声も出ている。 
〔写真説明〕インドネシア高速鉄道の車両=2024年5月、西ジャワ州バンドン(AFP時事)