改革定着へ、政変後初の総選挙=バングラデシュ、12日投開票

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 【ダッカ時事】バングラデシュで12日、反政府デモにより2024年にハシナ政権が倒れて以来初となる総選挙(一院制、定数350)の投開票が行われる。国民の信任を得た新政権への権力移行が円滑になされ、改革が定着するかが焦点。主要野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の勝利が有力視されている。
 「選挙日を新しいバングラデシュの誕生日にしよう」。前政権崩壊後、国のかじ取りを担ってきた暫定政権のユヌス首席顧問は10日、テレビ演説でそう述べ、国民に投票を呼び掛けた。
 12日には政変をきっかけにまとめられた「7月憲章」に基づき、改革の是非を問う国民投票も実施。憲章は通算10年を超えて首相を務めることを禁じ、二院制への移行を含む改革の方向性を示した。連続約15年国のトップの座にあったハシナ前首相に権力が集中し、腐敗や反体制派の弾圧を招いた反省を踏まえたものだ。
 旧体制の刷新を図るとはいえ、事前の世論調査でリードするのは伝統政党のBNP。ハシナ氏が率いたアワミ連盟(AL)と並ぶ二大政党の一角で、ハシナ前政権下で弾圧を受けた。
 反政府デモを主導した学生が結成した新党・国民市民党(NCP)は伸び悩み、イスラム主義政党との連携に活路を見いだそうとしている。
 BNPの学生組織で働くヤシン・シャキルさん(30)は、参加した2年前のデモで警官から発砲を受け脚を負傷した。共に戦ったNCPの指導部について「全ての国民のために働いていない。汚職もあり、結局金のためだった」と、失望感をあらわにした。
 ALは今回、裁判での証人保護を理由に選挙への参加が禁じられ、ハシナ氏は逃亡先のインドから批判を繰り返している。24年の前回総選挙では、BNPが公正な選挙を見込めないとしてボイコットした。立場は逆だが構図は似ている。選挙監視団として派遣されたある国の専門家からは「包括的な選挙とは言い難い」との声が漏れている。 
〔写真説明〕12日実施されるバングラデシュ総選挙で、首都ダッカ市内に掲げられた主要野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の横断幕=11日
〔写真説明〕主要野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の学生組織で働くヤシン・シャキルさん=10日、ダッカ