ヤマハ発動機など国内の二輪メーカーが、脱炭素に向けて新たな動力源の開発に取り組んでいる。各社は四輪車に続いて電動化の波がいずれ訪れるとみているが、乗り越えなければならない壁が高い。並行して水素やバイオガスなどの代替燃料で走る技術開発も進める。
「カーボンニュートラルの終着地として、電動化が主流になるのは間違いない」。ヤマハ発の設楽元文社長は、温室効果ガスを排出しないバイクの将来像をこう描く。同社は2027年までに投入する新型二輪車の3割を電動化する計画。昨年は電動スクーター4モデルの発売を発表した。
ホンダは昨秋、二輪車全体に占める電動バイクの販売比率を現在の0.6%から30年度までに7%へ引き上げる目標を掲げた。28年にはインドで電動二輪車の専用工場を稼働させる。
ただ、電動バイクには課題も多い。四輪車と同様に価格が高くなりがちで、充電設備の不足も解消されていない。さらに、車体が小さい二輪は大きなバッテリーを積めず、航続距離を伸ばそうにも限界がある。設楽氏は「価格や航続距離、充電インフラ、政府の補助などが一体でセットされたら普及する」と期待する。
そこで、各社が目を向けるのが代替燃料。スズキは、牛のふんを原料とするバイオガスで走る二輪車を開発中で、昨年の「ジャパンモビリティショー」で試作車を展示した。
ヤマハ発は水素エンジンに力を入れ、トヨタ自動車と共同で水素スクーターを開発。バイオエタノールを燃料とするバイクもブラジルで販売し、将来のインド市場投入を視野に入れる。幹部は「状況に合わせていろいろな製品を出せるように、技術の弾込めをしている」と語った。