米、円安けん制強める=日本の混乱波及懸念

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 【ワシントン時事】トランプ米政権がドル・円相場の動きに神経をとがらせている。巨額の貿易赤字の解消に向け、輸出に有利なドル安を志向するが、外国為替市場では円相場が乱高下する一方、日本の長期金利が急騰。日本市場の混乱が米国に波及しかねないとの懸念から、政権はけん制の姿勢を強めている。
 円相場は一時1ドル=159円台まで下落したが、日米当局が為替介入の前段階となるレートチェックを1月23日に実施したとの観測が広がると一転、急激に円高・ドル安が進んだ。トランプ大統領は27日、記者団に「ドルの価値は素晴らしい」と語り、ドル安を容認した。
 一方、日本では円安に伴うインフレ圧力に加え、衆院選で与野党ともに消費税減税の公約を掲げたことで財政悪化懸念が強まり、長期金利は一時、約27年ぶりの高水準まで上昇した。
 米国でも長期金利が高止まりする中、ベセント財務長官は日本の金利上昇が波及し、米国債の売りにつながる可能性を憂慮。背景には、さらなる財政悪化や経済成長の下押しを招くとの危機感があった。
 ベセント氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に合わせて片山さつき財務相と会談したほか、日本当局が「市場を沈静化させる発言を始めると確信している」と述べ、混乱の火消しに走った。
 レートチェックの観測を受けて円安は一服しているが、市場では依然、日米協調介入への警戒感がくすぶる。心理的節目とされる1ドル=160円まで距離はあるものの、「いずれ元の水準に戻る」(市場関係者)との見方が優勢だ。トランプ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長にウォーシュ元理事を指名したことを受け、足元では円安が進行。協調介入が再び現実味を帯びる事態もあり得る。