学生アイデアで地域活性化=自治体と連携、関係人口創出へ―総務省

 都市部の学生が地方に出向いて住民と共に活動する取り組みを広めようと、総務省はモデル事業を実施している。自治体と大学の連携を後押しし、地域の活性化や課題解決に、若者ならではのアイデアを生かしてもらう。地域づくりを担う人材の確保や、地域と継続的に関わる「関係人口」の創出につなげる狙いだ。
 総務省は2025年度から、学生のフィールドワークを受け入れて住民らと地域振興を目指す自治体を対象に、モデル事業を実施。学生の旅費などを負担する。
 このうち新潟県南魚沼市は、学生と地域住民との交流拠点の整備に取り組んでいる。学生は、雪害対策といった地域特有の課題を住民らから学び、雪の時期に対応できる施設づくりなどの提案に生かす。
 南海トラフ地震が発生した場合に甚大な被害が想定される愛媛県宇和島市は、あらかじめ被災後のまちづくりを準備する「事前復興」の取り組みを学生と共に進めている。25年3月に策定した市の事前復興計画について、実効性を高める具体策を考え、住民に示して周知を図る。市内に大学がないため、担当者は「学生の視点は貴重で重要」と説明する。
 和歌山県では、5市町が計43人の学生を受け入れている。空き家の利活用や特産品のPRといった地域それぞれの課題解決に向け、学生と協力しながら活動。県が各地域の事例を共有するなどして一体的に取り組んでいる。
 東京一極集中や進学による若者の地方離れが進む中、総務省や各自治体は、学生が地域と関わりを持ち、関係人口や移住・定住のきっかけとなることを狙う。和歌山県の担当者が「大学単位でなく学生個人でも引き続き関わってもらうことが必要」と話すように、継続的なつながりの構築が課題。同県は関係人口を登録する枠組みを立ち上げるなどの工夫を凝らしている。 
〔写真説明〕地域の活性化と課題解決に向けた連携を後押しするため、自治体や大学などを対象に総務省が開いた交流会=2025年11月28日、東京都千代田区