サンフレッチェ広島に所属するMF田中聡が、デュッセルドルフ(ドイツ2部)に完全移籍した。30日に両クラブが発表した。
田中とデュッセルドルフの契約期間は2030年6月30日までの4年半で、新天地での背番号は「16」に決定。ドイツメディア『スカイ』のフロリアン・プレッテンベルク記者によると、広島に支払われる移籍金はおよそ100万ユーロ(約1億8000万円)となる模様だ。
現在23歳の田中は、2020年に湘南ベルマーレでデビュー。即レギュラーとして活躍すると、2022年8月から翌年6月まではコルトレイク(ベルギー)に期限付き移籍でプレーした。しかし、初の海外挑戦はケガの影響もあって不完全燃焼に終わり、2023年夏に湘南へ帰還。2024シーズンは湘南のJ1残留の原動力となり、2025シーズンから広島に完全移籍した。
広島でも不動のレギュラーとして活躍し、2025年7月には東アジアE-1サッカー選手権で日本代表デビューを飾った。2025シーズンは公式戦47試合に出場してJリーグYBCルヴァンカップ制覇に貢献し、J1リーグのベストイレブンに選出された。
移籍決定に際し、田中は広島のクラブ公式サイトで次のようなコメントを発表している。
「フォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍することになりました。1年間という短い間でしたが、サンフレッチェ広島の選手としてプレーできたことを心から誇りに思いますし、このチームでタイトルを取れたこともとても嬉しく思います。初めての国内移籍で、不安や慣れないことも多くありましたが、チームメイトやスタッフの皆さんに支えられ、ここまでやってくることができました。本当に感謝しています。ありがとうございました」
「この移籍が良かったのかどうかはわかりませんが、後にも正しかったと思えるよう、これからも努力していきます。エディオンピースウイング広島で味わった雰囲気は、一生忘れられません。皆さんの声援が、ピッチで戦う大きな力になっていました。サポーターの皆さん、たくさんの応援本当にありがとうございました」
また、新天地となるデュッセルドルフのクラブ公式サイトでは「欧州へ戻り、このクラブでキャリアの次のステップを踏み出せることを嬉しく思います。ここでは僕の苗字はよく知られていると思いますが、もちろん自分の足跡を残していきたいです。この街とクラブについては良い評判しか聞いていません。この素晴らしいアリーナで、そしてファンの前でプレーできるのが楽しみです」と意気込みを示した。
田中が加入するデュッセルドルフは、MF田中碧(現リーズ)やFW宇佐美貴史(現ガンバ大阪)、MF原口元気(現ベールスホット)ら、これまで9名の日本人選手が在籍。現在は、日本にルーツのあるアペルカンプ真大が在籍している。2025-26シーズンは残留争いを強いられており、3部との入れ替えプレーオフ出場となる16位で前半戦を終えた。
スポーツ部門の取締役に就任したスヴェン・ミスリンタット氏にとっては、田中が今冬最初の補強となる。同氏はかつて、ドルトムント時代にMF香川真司を、シュトゥットガルト時代にMF遠藤航やDF伊藤洋輝を獲得した慧眼の持ち主。“ダイヤモンド・アイ”のお眼鏡にかなった田中は、デュッセルドルフを浮上に導くことができるのだろうか。
【動画】田中聡が2度目の海外挑戦! デュッセルドルフ加入が決定