【務安(韓国)時事】韓国南西部全羅南道の務安国際空港で旅客機が着陸に失敗し、乗客乗員181人中179人が死亡した事故から29日で1年が経過した。同空港では、遺族団体や政府、地元自治体の共催で追悼式が開かれ、出席者は犠牲者に祈りをささげるとともに、再発防止を誓った。
事故を巡っては、国土交通省傘下の調査委員会が原因究明に取り組んできたものの、遺族は調査の独立性を疑問視し反発。事故原因はいまだ解明されていない。
遺族団体の金愉眞代表は、遺族に対する謝罪や情報公開、責任の追及が一切行われていないと指摘し、国の対応を批判。「二度とこのような惨事を繰り返さないようにすることが国家の最低限の義務だ」と訴えた。
李在明大統領はビデオメッセージで「形式的な約束や空虚な言葉ではなく、実質的な変化と行動が必要だ」と強調。調査委員会の「独立性と専門性の強化を積極的に後押しし、原因究明に最善を尽くす」と述べた。政府を代表し、金民錫首相らが参列した。
参列者らは事故発生時刻を知らせるサイレンに合わせて黙とう。犠牲者の名前が一人一人読み上げられると、会場には遺族らがむせび泣く声が響き渡った。
〔写真説明〕29日、韓国南西部全羅南道の務安国際空港で開かれた旅客機事故の追悼式で献花する政府関係者ら