中国地方整備局が山口県岩国市で整備している「岩国港 装束~室の木地区 臨港道路」の一部区間が開通しました。
港のアクセス道&国道バイパスになる?
中国地方整備局が山口県岩国市で整備している岩国港の「臨港道路」の一部区間が2025年12月25日、開通しました。
この臨港道路は、岩国市装束町の装束地区から新港(しんみなと)地区を経由し、室の木地区(同市飯田町)まで至る計画延長2.9kmの道路です。国道2号の海側を並走する道路であり、一部区間は海上に橋が架かる区間となっています。建設事業はI~III期に分けて段階的に実施される予定で、これまでに装束地区から新港地区までのI期区間1.2kmが開通済みです。
今回開通するのは、I期区間の南端から、一文字終末処理場(岩国市新港町)そばの既存道路までをつなぐII期区間です。延長自体は400mと短いものの、接続する現道は内陸側にカーブしながら国道2号と交差しているため、I期区間と併せて国道2号を海側から迂回できる新ルートとなります。
岩国港の周辺には日本製紙の岩国工場や三井化学岩国大竹工場、ENEOS麻里布製油所などの工業施設が密集しています。そのため、既存の国道2号は大型トラックやトレーラーをはじめ、多くの通行車両で慢性的な混雑が発生していますが、港にすぐ山が迫る地形のため、大規模なバイパスを整備するのも難しい状況です。臨港道路はこうした物流関連の「海のアクセス道」として機能するほか、一般車には国道2号のバイパス的な使い方もできそうです。
なお、残るIII期区間1.3kmの事業については現在調査中となっており、事業は2029年度まで継続される見通しです。