米、元EU閣僚のビザ制限=デジタル規制巡り亀裂深まる

 【ワシントン、ブリュッセル時事】トランプ米政権は24日までに、欧州連合(EU)で閣僚に相当する欧州委員を務めたブルトン氏ら5人に対し、ビザ(査証)の発給を制限すると発表した。ブルトン氏はEUのデジタル規制策定を主導した人物で、米SNS大手X(旧ツイッター)を率いる実業家イーロン・マスク氏と衝突していた。
 米EU当局が発表した。元欧州委員に対する事実上の制裁措置。トランプ政権はEUのデジタル規制に不信感を強めており、米EU間の亀裂が深まりそうだ。
 ルビオ米国務長官は23日に声明を出し、5人が「米国の見方を検閲し、抑圧するよう米プラットフォームに強いる組織的な活動を主導してきた」と批判。米国の主権侵害を容認しない立場を強調した。
 欧州委員会も声明でトランプ政権の決定を強く非難。EUのデジタル規制は「全ての企業にとって安全で公正、公平な競争環境を確保するもので差別なく適用される」とし、「規制上の自治を守るため断固として対応する」と表明した。