訪日外国人を渡航前に審査する「電子渡航認証制度」(JESTA)の導入に当たり、政府が利用者への民間医療保険加入を義務付ける方向で検討していることが分かった。訪日外国人による医療費不払いが問題化していることを踏まえた対応。関係者が24日、明らかにした。
JESTAはテロや不法滞在目的での来日を防ぐため、ビザ免除国・地域からの渡航者を対象にオンラインで事前審査する制度。米国の「ESTA」を参考にしたもので、政府は2028年度の導入を目指している。審査に際しては手数料を徴収する方向だ。
厚生労働省の調査によると、24年9月の1カ月間に発生した訪日外国人による医療費未払いの総額は約6135万円。単純計算で年間7億円を超える額が回収できていないことになる。こうした状況を踏まえ、自民党は今年6月、入国前の民間医療保険の加入義務化を検討するよう政府に求めていた。
自民は24日に外国人政策本部を党本部で開き、政府に対する外国人政策の提言案の中間取りまとめを行った。在留資格の要件見直しや外国人による土地取得ルールの新設、日本語習得プログラムの導入などが柱。新藤義孝本部長は1月中の提言取りまとめに向け、議論を加速させる意向を示した。