マジョルカを揺るがした元主将の騒動は契約解除で決着…アラサテ監督は「この件に勝者はいない。全員が敗者だ」

 マジョルカを率いるハゴバ・アラサテ監督が、契約解除が発表されたMFダニ・ロドリゲスについて語った。19日、スペイン紙『アス』が伝えている。

「僕が口にできるのは、ただただ『ありがとう』という言葉に限るよ」と本人のコメントを掲載するとともに、マジョルカは18日、MFダニ・ロドリゲスとの契約解除を発表した。同選手は今年9月に、ハゴバ・アラサテ監督の選手起用を巡った批判を自身の公式SNSに書き込んだことで、クラブから10日間の雇用と給与支払いの一時停止、そしてキャプテン剥奪の処分を受けていた。その後、アラサテ監督やチームメイトに謝罪した上で活動を再開させたものの、ここまで一度も招集メンバー入りさえなかったのだ。

 そうしたなかで19日のラ・リーガ第17節バレンシア戦(△1-1)後に、アラサテ監督が元キャプテンについて言及。「この件において、勝ったものはいない。全員が敗者だ」と口にしたバスク人指揮官は、「彼は、与えられた機会を最大限に活用し、素晴らしいトレーニングを積んできた。これからの彼の幸運を心から願っている」と実直に取り組んでいた姿勢を明かした。

 また同時に「この状況は一度置いといて」と前置きした上で、「彼はここで7年半を過ごした。マジョルカにとって、(クラブの)歴史を作った、とても重要な選手だ」と称賛しつつ、「(就任1年目の)昨シーズンは素晴らしい1年を送ることができたわけだが、そのことについては彼に感謝している。この先の活躍を願っている」と披瀝。そして、「もちろん、これは私が監督として経験してきたなかで最も難しい決断だった。私も、彼自身も、とても辛い思いをしたんだ。唯一の救いとなるのは、最後に下したこの決断に対して、私の良心は痛んでいないという事実だけだよ」と苦渋の選択ではあったが、チームにとっては最善だったと強調している。

 現在37歳のダニ・ロドリゲスは、デポルティーボのカンテラ出身でトップチームデビューを果たした後、国内複数クラブを経て、2018年夏にマジョルカに加入した。以降7年半で、クラブ公式戦通算282試合に出場し32得点39アシストを記録。2度のラ・リーガ昇格ならびに5シーズン連続の残留のほか、2023-24シーズンのコパ・デル・レイ準優勝にも貢献するなど、近年のクラブ史に足跡を残した名プレーヤーだ。それだけに、バットエンドの結末は、無念やるかたないものとなっている。

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