不同意性交罪、認知件数45%増=法改正影響か―犯罪白書

 法務省は19日、2025年版の犯罪白書を公表した。24年の刑法犯の認知件数は、前年比4.9%増の73万7679件。増加は3年連続となる。特に性犯罪の伸びが目立ち、不同意性交等は同45.2%増の3936件、不同意わいせつは同14.7%増の6992件。23年7月に改正刑法が施行され、処罰要件が明確化されたことが要因とみられる。
 検挙者数は同4.7%増の19万1826人。認知件数、検挙者数とも新型コロナウイルス感染拡大前の19年とほぼ同水準に戻った。
 認知件数を罪種別で見ると、全体の約7割を占める窃盗が同3.7%増の50万1507件。詐欺も同24.6%増の5万7324件と大幅に悪化した。
 今回の白書では、犯罪被害の実態を調査。被害申告率は、バイク盗(92.3%)、自転車盗(57.5%)など窃盗被害で上昇傾向にある一方、性的被害(25.0%)やストーカー行為(33.3%)は依然として低かった。
 精神障害者の性犯罪被害に関する確定記録の調査結果も公表。被害者の7割以上が知的障害を有し、加害者は支援関係者が最も多かった。
 法務省は再犯防止推進白書も公表。出所した受刑者が2年以内に再び刑務所に入る再入率は、最新の23年で同0.8ポイント増の13.8%だった。増加は9年ぶり。