“暗闇バーディ締め”の自己ベスト『63』 奥山純菜がQTで6打差独走

<JLPGAファイナルQT 3日目◇4日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>

2位に6打差をつける独走だ。3位から出た奥山純菜は1イーグル・8バーディ・1ボギーの「63」をたたき出してトータル16アンダー。来季前半戦フル出場が見込めるボーダーライン(35位付近)に大きく差をつけただけでなく、トップ通過にも王手をかけた。

前半は3バーディ・ボギーなし。スタート時間が霜の影響で40分遅れ、さらには全体のプレー進行が遅かったこともあり、後半は日の入りとの戦いでもあった。「日没がヤバかったので早く回ろうと思っていたけれど、落ち着いてプレーができました」。内心では焦りもあったが、それがゴルフに影響することはなかった。気温も下がって厳しいコンディションながらも、グングンとスコアを伸ばしていく。

13番でこの日初めてのボギーを喫した。それでも続く14番、残り192ヤードから4番ユーティリティで2メートルにつけてイーグル。バウンスバックを決めると、15番、17番、18番でもバーディを重ね、後続を突き放した。

17番を終えた時点で、日没時刻(午後4時23分)を過ぎていた。「『プレーを止めてもいいし、行ってもいい』と言われました。あした2時間前に来るのもアレなので“行こう”となりました」。ホーンが鳴ったものの、競技を続行。18番では投光器代わりに車3台のヘッドライトがグリーンを照らし、月が浮かぶ中でのプレーとなった。

「目とかは分からなかったけど、大体で入りました(笑)」。ピン右10メートルからのフックラインを決めてバーディ締め。「63」はプロ3年目での自己ベスト。「本当に完ぺきなゴルフができました」と笑顔を見せた。

プロテスト合格直後に初挑戦した22年はQT58位、23年はファーストで敗退、24年はQT50位と、これまで前半戦の出場権を得られなかった。今年はリードを持って最終日を迎えることができ、気持ちにも余裕が生まれる。「落ち着いて、最後まで丁寧にプレーしたいです」。あすも日没との戦いを強いられる可能性はあるが、笑顔で完走したい。(文・笠井あかり)

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