ウクライナ保安庁(SBU)は、ロシア南部のノヴォロシースク港で、ロシア海軍のキロ級潜水艦を水中ドローンによる攻撃で破壊したと発表し、その様子を捉えた映像を公開しました。
巡航ミサイルを搭載可能な潜水艦が攻撃を受ける
ウクライナ保安庁(SBU)は2025年12月15日、ロシア南部のノヴォロシースク港で、ロシア海軍のキロ改級潜水艦を初めて水中ドローンによる攻撃で破壊したと発表し、その様子を捉えた映像を公開しました。
キロ改級潜水艦(636.3型)は通常動力型潜水艦で、高い静粛性を持ち、「世界で最も静かな潜水艦」の一つといわれることもあります。ロシア軍は、この潜水艦に巡航ミサイル「カリブル」を搭載し、ウクライナのオデッサ州などへ攻撃を行っていました。
SBUによると、今回の攻撃はウクライナ海軍との合同作戦で、初めて水中ドローン「サブシーベビー」を使用し、潜水艦に重大な損傷を与えたと報告しています。公開された映像は、軍港内に停泊する潜水艦に巨大な水柱が立ち上る瞬間を捉えており、ロシア軍の監視の目をすり抜けて攻撃を成功させた模様です。
ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦をめぐっては、2024年8月3日に実施されたウクライナ軍のミサイル攻撃で、キロ改級の「ロストフ・ナ・ドヌー」が沈没しており、重大な被害を受けたのは2隻目です。
ウクライナ軍は有力な艦艇を保持していませんが、爆薬を搭載して敵艦に体当たりする「シーベビー」や「マグラV5」といった無人水上艇を活用し、ロシア海軍の黒海艦隊に打撃を与えてきました。被害を受けた黒海艦隊は、主な活動拠点をクリミア半島のセヴァストポリから、さらに東のノヴォロシースクまで後退させ、同地で防備の強化を図っていました。
【映像】ロシア海軍の潜水艦が撃破される瞬間