■これまでのあらすじ
夫の冷たい態度に心をすり減らしていた妻は、密かに購入した宝くじが3億円当選していると知り、この事実だけは夫に告げまいと決める。倹約家の夫からお茶会を「無駄」と切り捨てられ小遣いを減らされても、妻は節約してママ友との時間をこっそり楽しんでいた。しかし、その姿を偶然夫に見られてしまう。「コーヒー一杯だけ」と伝えても夫はレシートを求め、「家庭を支えているのは俺だ」と妻の言葉を受け入れない。対話が成り立たないと感じた妻はレシートを取り出そうとするが、どこにも見当たらない。動揺する妻に、夫は怒りをあらわにし、「探しに行けよ」と突き放すのだった。
夫の冷たい態度に心をすり減らしていた妻は、密かに購入した宝くじが3億円当選していると知り、この事実だけは夫に告げまいと決める。倹約家の夫からお茶会を「無駄」と切り捨てられ小遣いを減らされても、妻は節約してママ友との時間をこっそり楽しんでいた。しかし、その姿を偶然夫に見られてしまう。「コーヒー一杯だけ」と伝えても夫はレシートを求め、「家庭を支えているのは俺だ」と妻の言葉を受け入れない。対話が成り立たないと感じた妻はレシートを取り出そうとするが、どこにも見当たらない。動揺する妻に、夫は怒りをあらわにし、「探しに行けよ」と突き放すのだった。
■今さら探してもどこにもあるはずもなく…


■幸せそうな家族が羨ましい


■閃いた!探してもないのなら――!


夫の一言で、もう夜だというのにレシートを探しに出る羽目になった妻。お茶会から何時間も経っている今、紙切れ一枚を探したところで見つかるはずもなく、風に飛ばされてしまった可能性だってあります。
そんな中、ふと視界に入ったのは、笑い合いながら歩く仲睦まじい家族連れ。その穏やかな光景に胸が締めつけられ、思わず「私、なにやってんだろ…」と足を止めてしまいます。
しかしその瞬間、ある考えがふとよぎるのです。――紛失したレシートを夫に渡す、唯一の方法かもしれないと。