九州北部にある航空自衛隊の築城基地で2025年12月上旬、ミサイルを最大限まで積んで訓練飛行を行うF-2戦闘機が確認されました。奇しくも、その時期は九州南方の海域を空母「遼寧」を中心とした中国空母打撃群が航行していました。
沖縄近海には中国空母 九州周辺には中露の戦略爆撃機が
九州北部にある自衛隊基地で2025年12月上旬、極めて珍しい状態で国産戦闘機が訓練を行っているとして、Xなどで話題になっています。
場所は福岡県築上町にある航空自衛隊の築城基地です。ここにはF-2戦闘機を運用する第6飛行隊と第8飛行隊からなる第8航空団が置かれています。
F-2戦闘機は空対空戦闘だけでなく対地・対艦攻撃も可能な多用途戦闘機で、空対艦ミサイルは最大4発を搭載できます。
撮影した神 徹也カメラマンによると、撮ったのは2025年12月10日で、築城基地では数日前から対艦ミサイルを携行した状態で複数のF-2戦闘機による訓練飛行が行われていたそうです。
そうした中で、神カメラマンが注目したのは、F-2戦闘機が対艦ミサイル4発に加え、空対空ミサイル2発、増加燃料タンク2基のフル装備状態で訓練を行っていた点です。
このような形態で訓練を行うのは、神カメラマンによると極めて珍しいとのこと。なお、携行するミサイルは国産の93式空対艦誘導弾(ASM-2)と90式空対空誘導弾(AAM-3)で、双方ともシーカーを備えたものでした。
なお、偶然なのか12月6日から10日にかけて中国海軍の空母「遼寧」が沖縄本島の東側、大東諸島の近海を北上し、艦載機による発着艦訓練を実施しながら四国の南の海上を航行しています。
その一方で、9日には九州・沖縄周辺の空域を中国とロシアの戦略爆撃機や戦闘機が共同飛行したほか、10日は日本海上空でアメリカ空軍のB-52戦略爆撃機と航空自衛隊の戦闘機(F-35およびF-15)が共同訓練を実施しています。関連性は不明ですが、九州の築城基地でも普段とは異なる姿のF-2が発着していた模様です。