【ワシントン時事】米南部テネシー州で2日投開票された連邦下院第7選挙区の補欠選挙で、民主党候補が敗れたものの善戦した。同州は伝統的に共和党が強い地盤州として知られる。民主党が全勝した先月の3地方選に続き、トランプ大統領への不満が顕在化した格好だ。
テネシー州は「レッドステート(赤い州)」の代表格の一つで、「通常は民主党が議席を奪える可能性は低い選挙区」(CNNテレビ)。昨年の大統領選ではトランプ氏が第7区で22ポイント差をつけて圧勝した。
ところが米メディアによると、共和党候補で元州職員のマット・ヴァンエップス氏は、民主党候補で州下院議員のアフティン・ベイン氏に約9ポイント差(開票率95%段階)まで迫られた。トランプ氏がヴァンエップス氏を支援したのに対し、ベイン氏は生活費高騰問題を前面に掲げ、高関税措置を含む政権の経済政策を批判。無党派層や若年層を中心に支持を得たとみられる。
11月のニューヨーク市長選など3選挙でも、共和党の敗因は物価高とされる。トランプ氏は選挙後、関税措置の対象から食料品を除外するなど「手頃な価格」のアピールに躍起になっているが、政権の対応は奏功していないようだ。米ギャラップ社が11月に実施した最新の調査でも、トランプ氏の支持率は10月から5ポイント低下し36%。2期目で最低を記録した。
今回の選挙結果を受け、トランプ氏は自身のSNSで「急進左派民主党は数百万ドルを投じたが、共和党にとって素晴らしい夜となった」と強調。これに対し、民主党全国委員会のケン・マーティン委員長は声明を発表し、来年の中間選挙に向け「アクセル全開で全米で組織活動を展開する」と決意を示した。

