全国のコミュニティーバスの先駆けとなった東京都武蔵野市の「ムーバス」が11月26日、1995年の運行開始から30周年を迎え、記念式典が行われた。小美濃安弘市長は「住宅地を小型バスで運行する、家の近くにバス停を配するなど、協議を重ねて誕生した。利用者、事業者、地域の皆さまに守り育てていただいた」とあいさつ。続けて「そうした協働の精神が力となり、30年間走り続けてきた。市の誇りだと思っている」と力を込めた。
現在は繁華街や隣接する住宅地を7路線9ルートで運行。累計乗車人員は2024年に6000万人を突破した。誕生のきっかけは、市内高齢者から市に寄せられた「(繁華街の)吉祥寺に出たいが、足が悪くなり、最寄りのバス停まで行けない」という手紙。料金は100円で、発足時から変わらない。
式典は晴天の中、運行の原点ともなったJR中央線吉祥寺駅前で開催。会場では新型の電動バスがお披露目され、市長ら関係者らはテープカットをして祝った。【もぎたて便】
〔写真説明〕「ムーバス」30周年式典でテープカットをする東京都武蔵野市の小美濃市長(中央)ら=11月26日、同市

