年末年始、3割が「不安」=困窮若者、食料支援求める声―NPO調査

 困窮する若者の約3割が年末年始に不安を感じていることが2日までに、NPO法人の調査で分かった。食料支給や暖房代へのサポートを求める声が多く、同法人は「公的機関などの相談窓口が年末年始で休業する前の支援が重要だ」と訴えている。
 アンケートは、困窮若者を支援する認定NPO法人「D×P」(大阪市)が10月、同法人のLINE相談を利用する8502人を対象に実施。531人(平均18.9歳)から有効回答を得た。
 年末年始をどう思うか聞くと、「不安」(17.5%)と「すごく不安」(15.3%)を合わせ32.8%が不安を訴え、「楽しみ」「すごく楽しみ」の計22.4%を上回った。最多は「特に何も感じない」の33.9%だった。
 不安と答えた理由を複数回答で尋ねると、「金銭的に余裕がない」(65.5%)が最多だった。「どこにも居場所がない」(29.3%)や「公共施設や病院が閉まる」(23.0%)などの訴えも目立った。
 年末年始に欲しい支援(複数回答)では「食料が自宅に届く」(50.1%)が最も多かった。「暖房代の支援」(34.8%)と、「ごはんが無料で食べられる居場所」(30.5%)が続いた。
 年末年始に困ったことを自由記述で聞くと、「いつもの相談機関や病院が開いていない」(20歳女性)などの声が寄せられた。「体調を崩してお金を稼げなくなり、暖房代を払えず凍死するかもと思った」(24歳女性)との回答もあった。
 同法人の今井紀明理事長は「家族や学校に相談できない若者は多く、支援機関が休業する年末年始は特に孤立しやすい。行政はオンラインを活用するなどして相談しやすい仕組みをつくり、休業前の支援につなげてほしい」と話している。 
〔写真説明〕アンケート結果を説明する認定NPO法人「D×P」の今井紀明理事長=11月26日、東京都千代田区

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)