48歳・近藤智弘が新たな取り組みへ 21歳年下の助言で復調、QTにも挑戦「楽しみができた」

<カシオワールドオープン 最終日◇30日◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)◇7375ヤード・パー72>
 
ボギーなしの3バーディを奪い「69」をマークした48歳の近藤智弘は、トータル11アンダー・21位で今季自身最後の試合を終えた。
昨年はケガの影響で15試合の出場にとどまり、賞金ランキングは77位。同上位65人に与えられるシード権は獲得できなかった。今年は生涯獲得賞金ランキング上位25位以内の資格(17位)で参戦したが、今季は賞金ランキング92位でシード権には届かなかった。

今季開幕前のオフシーズンには、3年ぶりにトレーニングに取り組むなど、体のコンディションは昨年よりも良好だった。しかし「いろいろやってきたけど、うまくいかなかった」と振り返るように、競争が激しさを増し、若手の台頭も著しい男子ツアーの中で戦うための試行錯誤に頭を悩ませる時期が続いた。

昨年に比べて、今年は22試合に出場することができたのは大きい。しかし、決勝ラウンドに進出できたのはわずか6回で、今大会での予選通過は8月の「Sansan KBCオーガスタゴルフ」以来だった。そんな4日間を戦い抜いた近藤は「先週、いろいろ習ったんです。試していて、まだ感覚的には気持ち悪いこともあるけど、少し手応えみたいなものがあった。(これから)少しゴルフが良くなるかな」と笑顔を見せた。

近藤の課題は、スイングと実際に出る弾道がかみ合っていないことだった。前戦の「ダンロップフェニックス」の練習日に21歳年下の坂本雄介と練習ラウンドを行い、「『フェースがずっとオープンになっていて、その使い方だと今のクラブでは少し難しいかもしれませんね』みたいな話。いわゆるシャットにする感じかな。まだ感覚は気持ち悪いけど、そんなめちゃくちゃ悪い球にもならなくて、この感じで練習していけばいいかな」とクラブの使い方についてアドバイスを受け、実践してみると好感触を得た。

今大会の練習日には、坂本だけでなく池村寛世や植竹勇太にも打ち方について尋ねて収穫を得たという。これまで近藤は誰にも教わらず、理論よりも感覚を重視してきた。しかし、クラブやボールの進化とともにゴルフを取り巻く環境も変化している。その流れを受けて自身の考え方にも変化を加えることにした。

「なかなかこの歳からやるのもどうかなと思っていたけど、昔とボールも違けりゃクラブも全然違うので、さすがに理論がいるかなと。今後シニアもあるし、自分のゴルフを立て直さなくてはいけない。せっかくだと思って(教わることに)チャレンジして今週わりかし上手くやれた。来年は少し時間もできるし、初めてだけどコーチとかに習ってみようかなと思っている」。この先も続いていく競技人生に向け、新たな一歩を踏み出す決意を明かした。

「来年のことはまだ決めてないけど、出たいときに出られるようにしておきたい。QTは受けておこうと前から決めていた」と、12月9~12日に行われるファイナルQT(千葉県・千葉夷隅ゴルフクラブ)に出場する。10月には練習ラウンドも行った。

「自分の中で(課題の)ポイントも出てきたから、これはこれでやりがいがあるというか、楽しみができた。できる限り長くやりたいと思うし、ただ、試合に出られればいいという感覚は全くなくて、予選落ちばかりではしんどいですしね。楽しくないじゃないですか。だけど、“もしかしたら良くなるかもしれない”という可能性が少しあるから、来週は練習してQTに行ってきます」。そう話す近藤の目は輝いていた。48歳の挑戦は、まだ終わらない。(文・高木彩音)

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