1日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが、一時1.875%に上昇(債券価格は下落)した。2008年6月以来、約17年半ぶりの高水準。日銀の植田和男総裁の発言を受けて、早期利上げ観測が強まり、債券を売る動きが加速した。
植田総裁は同日午前、名古屋市での講演で、18、19両日開催の金融政策決定会合に関し、「利上げの是非について適切に判断する」と表明。午後の会見では、「緩和度合いの調整が遅れると混乱を引き起こしてしまう」などと発言したのを受け、金利に上昇圧力が掛かった。高市政権の大規模経済対策が、財政を悪化させるとの見方も、債券売りを強めた。
東京外国為替市場の円相場は、日銀の利上げで日米の金利差が縮小するとの思惑から、円買い・ドル売りが広がり、1ドル=155円台前半に上昇した。午後5時現在は155円37~37銭と前週末比91銭の円高・ドル安。
1日の東京株式市場で、日経平均株価は一時前週末比1000円超下落した。前週の上昇を受けた利益確定の売りが広がった。為替相場が円高・ドル安に振れたことも、日本株には逆風になった。日経平均の終値は950円63銭安の4万9303円28銭。
〔写真説明〕17年半ぶりの水準を付けた長期金利を示すモニター=1日午後、東京都中央区
〔写真説明〕日経平均株価の終値を示すモニター=1日午後、東京都中央区

