【ソウル時事】韓国の尹錫悦前政権との癒着疑惑に絡み、請託禁止法違反や政治資金法違反の罪に問われた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁の韓鶴子被告(82)の初公判が1日、ソウル中央地裁で開かれた。韓被告側は起訴内容を全面的に否認した。
前政権の疑惑を捜査する特別検察官によると、韓被告は2022年7月ごろ、教団への便宜供与を求め、尹氏夫人の金建希被告=あっせん収賄罪などで公判中=に高級バッグなどを贈与。同年1月ごろには、尹氏側近で保守系野党「国民の力」所属の国会議員、権性東被告=政治資金法違反の罪で公判中=に1億ウォン(約1060万円)を不正に渡したとされる。
検察側は、韓被告が信者からの献金を不当に流用したなどとし、「重大犯罪だ」と強調した。弁護側は教団元幹部の「野心から始まった独断的行為」だと主張し、韓被告の関与を否定。起訴内容を裏付ける証拠が元幹部の供述のみに依拠していると指摘した。
韓被告はマスク姿で黒い上着を着用し、車いすで出廷した。開廷前から、教団関係者とみられる人々が傍聴席を求めて列を成した。
〔写真説明〕世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁=9月17日、ソウル(EPA時事)

