鈴木愛は史上16人目のメジャー3勝目に“感涙” 苦しみ乗り越え「記念にも印象にも残る優勝になった」

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇30日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>

プレーオフ2ホール目。鈴木愛は、最後、80センチのパーパットを決めると、両手を高々とあげ、そして歓喜の涙を流した。トータル9アンダーで首位に並んだ岩井千怜がボギーを叩き迎えたパットを流し込み、今年8月の「ニトリレディス」に続く今季2勝目(通算22勝目)。大会初優勝で、メジャーは2014年、16年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」以来となる9年ぶりの制覇だった。
1打リードで迎えた正規の最終18番。この最難関ホールでは2打目をショートサイドとなる右のバンカーに外し、ボギーを叩いた。これによりここまで4勝5敗と負け越していたプレーオフに突入。延長戦も嫌な印象も残る18番で行われたが、見事勝ち切った。

9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」から、予選落ちがない「TOTOジャパンクラシック」を除き、6試合連続で決勝ラウンド進出を逃す苦しい時間も過ごした。先週の「大王製紙エリエールレディス」(20位タイ)で、ひさしぶりに決勝を戦った。そのため、優勝インタビューでは、「この2、3カ月ほとんど予選落ち。先週ひさびさに予選を通ったところだったので、来年へ向けいいゴルフができればいいと思って(宮崎に)入ってきました」という本音も明かす。

今回が12度目の出場で、ここまでの最高成績は18年と昨年の3位タイ。「メジャーもしばらく勝ってなかったし、記念にも自分の印象にも残る優勝になった。宮カン(宮崎CC)は苦手意識もあったけど自信を取り戻せたし、苦手コースでも勝てると思えた。モチベーションをアップしてゴルフができる。来年はもっといいゴルフが見せられるように頑張ります」。思い入れの強い、特別な1勝になった。

1988年のツアー制度施行後、メジャー3勝を挙げたのは岡本綾子、不動裕理(ともに通算5勝)らに続く史上16人目の快挙。それでも「まだまだ成長するところばかり。パターはよかったけど後半はショットが乱れたので、それは来年への課題」と反省は尽きない。

最後は取り囲んだ出場全選手から浴びる恒例のフラワーシャワーで、初めて主役になった。優勝スピーチでは「今年は苦しい1年でした。永久シードの30勝に向けても大きな1勝になった。残り8勝はまだまだ遠いけど、優勝していきたい」とファンへ決意表明。17年、19年と2度の女王に輝いた31歳が、その強さを発揮した4日間だった。

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