東京都足立区梅島で盗難車が暴走し11人が死傷した事故で、事故直前にパトカーが約400メートルにわたって盗難車を追跡していたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は追跡に問題はなかったとみているが、詳しい状況を調べている。
事故は24日午後0時半ごろ発生。車が横断歩道や歩道上で次々と歩行者をはねた後、車道に戻ってトラックへの玉突き事故を起こすなどし、2人が死亡、9人が重軽傷を負った。
捜査関係者によると、事故の約2時間前、自動車販売会社から車が盗まれたと110番があった。パトカーが周辺を捜索したところ、交差点で信号待ちをしていた盗難車を発見。2台で赤色灯をつけてサイレンを鳴らしながら追跡したが、約400メートル追跡したところで、最初の女性(28)=死亡=がはねられたため追跡を打ち切った。その後、負傷者らの救護に当たったという。
同庁は、運転していたとみられる男(37)を、車を盗んだ窃盗容疑で逮捕。男は「車を試乗するためだった」と容疑を否認している。
男は店に到着してまっすぐ駐車場に止めてあった車に向かい、約2分で車を盗んで逃走しており、「鍵がかかっていなかったので車に乗った。ドアポケットに鍵があるのを見つけた」と話しているという。
同庁は26日、男を送検。刑事責任能力を調べるとともに、死傷ひき逃げ事故への関与についても調べる。
〔写真説明〕歩行者が車にはねられた事故現場=24日午後、東京都足立区

