“日本一曲げない男”に強敵現る? 稲森佑貴がフェアウェイキープ率で首位陥落

<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇13日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

男子ツアーに異変が起きている。“日本一曲げない男”稲森佑貴が先週終了時点でフェアウェイキープ率1位から陥落してしまったのだ。残りはわずかに4試合、10連覇の大偉業を前に記録はストップしてしまうのか? 1%を巡るデッドヒートは最後まで続きそうだ。
稲森は2014年に出場7試合で初シードを獲得。フル参戦を始めた15年から9シーズン、フェアウェイキープ率1位の座を維持してきた。しかも、ただ曲げないだけでなく、この間に「日本オープン」2勝を含むトータル5勝。強さを兼ね備えた同部門の絶対王者に君臨してきた。

その技術には年々磨きがかかっており、昨年はツアー史上初の80%越えとなる80.957%を記録。他に70%を超えた選手もおらず、2位に11ポイント以上の差をつける驚異の独走劇だった。

稲森の今季のフェアウエーキープ率は77.492%。昨季より数字を落としているとはいえ、例年なら独走していてもおかしくない。ところが、今季は強力なライバルが現れた。ここに来てトップに立ったのは勝亦悠斗(かつまた・ゆうと)だ。最終日が中止となった先週の「ACNチャンピオンシップ」では3日まで88%越えをマークし、今季トータルで78.498%と稲森を約1%上回った。

今週はシードを持たない勝亦が不在のなか、自身の数字を上げるしかない稲森は最終18番こそ「右のセミラフに行っちゃいました」と苦笑いだったが、14分の13の準パーフェクトを記録。0.3%近く、その差を詰めている。

ラウンド後、絶対王者としてのプライドを問うと「まあ、今まで結果的に取れていただけなんで、気にせずやってます」と遠慮気味な返答。それでも、続けて「自分のゴルフを整えていけば、おのずと数字は伸びていくのかなと思ってます」とタイトル防衛への自信も覗かせる。

ライバルの勝亦については「まだ一緒に回ったことはないけど、彼も曲げない男、精度の高い選手だということは聞いています。まあそうじゃないとあんな数字にならないですよね」。リランキング14位の勝亦の次戦は今のところ未定。出たくても出られないのだから実情は全く違うが、プロ野球の首位打者争いを思わせる展開になっている。

稲森はスコアのうえでも首位と2打差の3アンダー・10位タイと好発進。1オーバーの折り返しから後半は3連続を含む4バーディで巻き返した。「前半はフェアウェイに打っても、2打目が木にかかったりアンラッキーもありました。後半はパッティングが修正できたのが良かったかなと思います」。2シーズンぶりの優勝と定位置復帰へ、残る3日間も“曲げられない戦い”が続く。(文・田中宏治)

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