「“愛”と書いて“めぐ”と読みます!」 プロテスト合格者・前多愛が明かした“意外な生い立ち”

<Dormy Ladies Cup 最終日(一日競技)◇11日◇上野原カントリークラブ(山梨県)◇6190ヤード・パー72>

先週7日までJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)で行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテスト合格者4人が、11日に行われたマイナビネクストヒロインツアー(以下、ネクヒロ)に出場した。そのうちのひとりが23歳の前多愛(まえだ・めぐ)。「優勝していないので頑張りたい」というツアーでラストスパートをかける。
6度目のプロテストを終え、まだ合格の実感は湧かないとも話す。それでも、これまでは悔しい思いをしてきた時期に、お祝いの言葉が届いている現状について「不思議な感覚ですね」と笑う。だがプロテストについて振り返ったとき、その口から出てくるのは反省の言葉ばかり。「4日間でボギーが12個もあったのは多い。それは減らさないと」。来年のツアーを戦ううえでも、ここはそのまま課題になる。

最終プロテストも今回が3度目だった。やはり苦い記憶も多い“浪人生活”だったが、特に苦しかったと振り返るのが、昨年の2次プロテストの時期。「ゴルフが怖くて、(動きが)止まると震えてしまって。ドライバーはボールが上がらないし、チーピンばかり。『これは帰ってくるのはしんどいかもな』と思ってました」。そこからは周囲の支えも力に、無心でクラブを振り続けた。「周りの方たちがすごく優しい方が多くて、助けてもらいながら、なんとかなんとか、ここまで帰ってきました」。

今年のプロテストも1次が始まる前までは不安と戦っていた。「去年の1次を佐賀県で受けて、その時にドライバーが怖いと思い始めた。去年の2次テストの前に、日本女子オープン最終予選に出場して、そのときが一番チーピンが出て、次の週がプロテスト2次。震えながらで、構えるのも怖かった」。そんな恐怖心と向き合いながらも、実戦のなかで克服の道を探ったのが、このネクヒロでもあった。

2023年から参戦してきたこのツアーでは、「バーディを取る大切さを教えてもらいました」と話す。「選手のレベルも高く、ボギーを打つと順位が一気に下がってしまうので」。だからこそ、プロテストでのボギーの数が悔しかった。だが、一方で「バーディを15個も取れたのは、このツアーに出たから」ということも、実感できている。

前多が今後のツアー生活で、どうしても“知って欲しい”ことがある。「“愛”と書いて“めぐ”と読みます」という名前についてだ。「病院の受付とかで、よく“あい”って呼ばれます」と笑いながら話すが、これが“あるある”。さらには「前多の“多”も“田”になることが多いです。“前田あい”はよくされる間違いですね」とも。なんとかJLPGAツアーでの認知度を高めていきたい。

続けて、こんな“告白”も。「友達とかにもあまり言ってないんですけど」というが「実はアメリカ生まれで、名前のローマ字表記は“Meg”なんです」。登録は滋賀県大津市出身になっているが、生まれた場所は米インディアナ州。そこで1歳頃まで過ごしていたという。最終プロテストの時は日本式の“Megu”で登録したが、ツアー登録する際は米国で届け出した正式な“Meg”でいくつもり。ボールのオウンネームが金色で“Meg”なのも、こういう理由からだ。

プロテスト後、最初の試合は5アンダーの5位タイと上位で終えた。これで3年間出場してきたネクヒロも、残りは来週20日からのシーズン最終戦「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル」を残すのみ。プロテスト合格によって獲得した出場権で、優勝賞金500万円のチャンスが巡ってきた。「来週のファイナルも優勝を目指します」と意気込む。

現在の女子ツアーには鈴木愛(あい)、木戸愛(めぐみ)、篠崎愛(まな)という選手がいるが、そこに新たな読み方の“愛”が仲間入り。その活躍で、“めぐ”の名前を浸透させる。(文・間宮輝憲)

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