“バスク純血主義”にそよぐ“異色の風”…ビルバオがまたまた逸材輩出! フィルミーノを親戚に持つ18歳に脚光

 スペイン紙『マルカ』は10日、アスレティック・ビルバオに所属するMFセルトン・サンチェスの特集を組んだ。

 トップチームデビューから、わずか2試合。スペイン大手紙『マルカ』が、「獅子(クラブの愛称)になる運命にある魔術師」として特集を組むほどの“逸材”が、彗星の如く現れた。セルトン・サンチェス。アスレティック・ビルバオのサードチームにあたる、バスコニアに所属する18歳(2007年2月20日生まれ)は、閃きとそれを可能とする技術、果敢さ…そして、“混血”で早くも注目を集めている。

 セルトンのトップチームデビューは、5日に行われたチャンピオンズリーグ第4節ニューカッスル戦だった。この試合におけるアスレティック・ビルバオは、オイアン・サンセトやウィリアムズ兄弟、さらにはゴルカ・グルセタまでもが欠場を余儀なくされており、ベンチ入りした攻撃的な選手はBチーム以下の若手選手が大半を占めていた。数合わせのための一時的な招集、と誰もが思っただろう。が、69分から登場したセルトンのプレーは、そんな浅慮さを払拭するには十分すぎた。積極的にボールに触ることでリズムを生み出したほか、スルーパスやドリブルでチャンスも演出してみせたのだ。さらに、これでアピールに成功した同選手は、4日後のラ・リーガ第12節オビエド戦でスタメンに大抜擢。64分に交代する際に、スタンディングオベーションを浴びるほどのパフォーマスで、とりわけ、背後へのアクションを見せた、グルセタを目掛けたラボーナでのスルーパスには度肝を抜かれた。

 だからこそ今、「セルトンとは一体誰なのか?」という疑問が生じている。アスレティック・ビルバオは、言わずと知れた“バスク純血主義(属地主義)”を掲げるクラブであり、バスク地方にルーツを持たない選手はプレーすることが許されていない。つまり、セルトンも歴としたバスク人であるのだ。実際、バスク人とブラジル人の両親の下に生まれ、バサウリ(クラブが本拠を構えるビスカヤ県の街)で育ち、10歳で『レサマ』の門を叩いている。さらに『マルカ』は、同選手の母親がロベルト・フィルミーノ(アル・アハリ・サウジ)の従姉妹である、という事実が明らかになったことも伝えている。

 そして『マルカ』は、トップチームのコーチ陣が、プレシーズンが始まる前から同選手のポテンシャルを高く評価していたと指摘。ただし当時、筋肉系トラブルならびに病気の影響で4カ月以上も戦列を離れていたため、まずは負荷を調整する必要があり、デビュー計画も綿密に練られていたという。結果的に、サンセトらのケガによって時期が前倒しされたものの、この18歳はエルネスト・バルベルデ監督の、「確かな賭け」だったのだ。

 今後も、トップチームに帯同する予定とされるセルトン。線の細さや、遊び心のあるプレーにブラジルの血を感じるが、“バスク純血主義”にそよぐ“異色の風”に注目してみてはどうだろうか。

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