広島がホームで浦和に完勝! 途中出場のDF山﨑大地が気持ちでつないだクリーンシート「もっと勝利の笑顔を見せたい」

 サンフレッチェ広島は9日、明治安田J1リーグ第36節で浦和レッズをホームに迎えて3-0の完勝を収めた。

 先週のルヴァンカップ優勝からミッドウィークにAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)を挟んで公式戦3連勝となった。広島は連戦の中でもホームで好守にわたって持ち前のアグレッシブさを発揮。43分にFW木下康介が先制点を挙げると、75分にFW加藤陸次樹が公式戦2試合連続ゴールとなる追加点を決め、82分にはFW前田直輝が古巣相手にダメ押しゴール。守っては相手の枠内シュートを0本に抑えて、リーグ戦では8月以来の無失点勝利を収めた。

 DF荒木隼人は、「ルヴァンカップ決勝からいい流れで自信を持って自分たちのサッカーができていましたし、しっかり裏を取るところ、守備は前からハメていくところ、攻守両面においていいサッカーができたと思います」と胸を張った。

 3バック中央で先発した荒木は、190センチの元スウェーデン代表FWイサーク・キーセ・テリンと激しいバトルを繰り広げて相手の攻撃の起点を封じ切った。

「困ったらそこ(イサーク)に入れてくると想定していたので、そこを多くの場面で潰せたのが良かったと思います。でも前の選手がいいプレスをかけてくれているので感謝しています」(荒木)
 
 守護神のGK大迫敬介も、「僕のところに来る前にみんながハードワークで守備をしてくれたおかげです」とチームの奮闘に感謝しつつ、荒木の堅守については「どんな相手でも隼人くんが勝てると思っているので信頼していますし、逆にそこを掻いくぐられても僕が守ればいいと思っているので。そこに信頼関係がありますし、今日は隼人くんが相手を抑えたのがすごく良かったと思います」と称えた。

 荒木は3点リードの86分に交代となり、代わりに3バック中央に入ったDF山﨑大地に後を託した。「大地は本当に能力ある選手だし、それは僕だけじゃなくてみんなわかっていることなので、自信を持ってプレーすることが大事だと思います」と後輩への信頼を口にした。

 山﨑は前節の横浜F・マリノス戦で今季リーグ戦3度目の先発出場を果たしたが、試合は0-3の完敗。その悔しい思いを糧に今節に臨んでいた。

「自分がスタメンで出る試合は結構失点していたので責任も感じていたし、前節は3失点したので、今日はもし出たらしっかり0にこだわってやろうと思っていました」(山﨑)

 後半アディショナルタイム2分には、浦和FW小森飛絢に縦パスが通ってピンチを迎えたところを山﨑が対応。「正直出てすぐだったので、ちょっと体が試合に入れてない感じもあって難しいところでした」と振り返ったように、ペナルティエリアに入るところで一瞬かわされる。

「これをやられたら今後もう使ってもらえなくなる」という危惧が頭をよぎったが、必死に食らいついて左足で渾身のシュートブロック。「頭は集中していたけど、思うように体が動かず、でも最後は気持ちでした。頑張って足を伸ばしたところに当たってマイボールにもできたので、結果的にいいプレーになったと思います」と振り返った。

 ピンチを守り切った直後に笑顔を見せて、「みんながナイスって言ってくれたので、『よっしゃ』って感じでうれしかったし、ああいうプレーを増やしていきたいです」とコメント。チームが作った無失点の流れを途中出場の背番号3が最後までつなぎ、「3-0で終われる試合を自分が出て3-1で終わるのは全然気持ちが違うので、そこはよかったです」と託された仕事を完遂して安堵した。

 久々にホームのピッチで歓喜の瞬間を迎えた山﨑は、「サポーターの皆さんがいつも応援してくれるので勝利の瞬間はうれしいです」と喜びつつ、「個人としてはまだ出場機会も少ないし、スタメンで出た中で勝利を味わいたいので、まだまだ満足せずにやっていきたいです。出場機会をもらえるようにしっかりアピールして、みなさんの前でもっと勝利の笑顔を見せたいです」とさらなる活躍を誓った。

取材・文=湊昂大

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