<ACNチャンピオンシップ 3日目◇8日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7004ヤード・パー71>
今月1日からACN所属となった片岡尚之が「65」と大きくスコアを伸ばし、トータル10アンダーの2位タイとホストVに向けて急浮上した。アテスト直後にはACNホールディングスの藤岡義久代表から激励を受け、なにやら“ニンジン”をぶら下げられた様子。最終日は「7アンダーを出して優勝」とより一層気合いが入ったようだ。
大会前はショットの不調を訴えていたが、3日目にしてジャンプアップを果たした。ショットが劇的に良くなったわけではないが「チャンスについたところで入ってくれました」。デビューした2020-21年シーズンに平均パット数1位に輝いて以来、同部門では常に5位以内。11番で13メートル、15番で8メートルのバーディパットを沈めるなど、最大の武器であるパッティングが猛チャージを支えた。
初日、2日目ともに5メートル近い風が吹いたが、この日は朝から穏やかなコンディションだった。「きょうは風がないので、スコアを伸ばせると思っていました」。同じように伸ばしてくると思っていた上位陣は伸び悩み「チャンスかなと思っています」。首位と3打差で迎える最終日は、今季2勝目となるホストVに照準を絞った。
アテスト後の藤岡代表との会話について尋ねると、「優勝したらボーナス、あすに7アンダーを出したらボーナスがあると言っていただいた。ダブルでたくさんいただきたいなと思ってます。あすは7アンダーか、それ以外かですね」とニヤリ。7アンダーは契約選手全員に対し、予選通過がかかる2日目限定でボーナスが用意されていたが、この日、片岡があと一歩の6アンダーを出したことで最終日に再挑戦のチャンスが与えられたという。
気になるボーナスの額について、藤岡代表は具体的な数字こそ明かさなかったが「選手が喜ぶような額です。10万円、20万円じゃ喜ばないでしょう」。先月の「日本オープン」を制し、優勝賞金4200万円を獲得したばかりの片岡が“たくさん”と言うのだから、それなりの金額なのだろう。
日本オープンでは最終日に7打差を逆転した。「初優勝もそうだったんですけど、下から出て勝っちゃったみたいな感じ。接戦で勝つのは難しいですけど、優勝した自信と経験はあるので、そこを強みに頑張りたいと思います」。優勝賞金2000万円も、ベストスコア賞の50万円も、そしてダブルのボーナスも、あすは片岡がすべて持ち帰る。(文・田中宏治)
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